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主要上場スポーツ企業の2018年度を展望する①
ミズノ、減収減益の見通し
ランニングシューズやChinaビジネスが苦戦

update: 2019/04/24

美津濃、2018年3月期 財務数値一覧(表1)

美津濃、2018年3月期 財務数値一覧(表1)

2019年3月期決算の開示を5月に控える主要上場スポーツ各社の業績を展望する。第1回目は美津濃(ミズノ)だ。去る2月8日に開示したIR資料において、ランニングシューズやChinaビジネスの苦戦などの理由で、通期の業績見通しを下方修正した。

国内の施設事業、欧州が健闘

美津濃、2018年3月期 地域別・品目別売上高(表2)

美津濃、2018年3月期 地域別・品目別売上高(表2)

同社はフットウエア(シューズ)、アパレル、イクイップメント(用品類)の売上規模の差が少なく、業績推移は比較的、安定している。今回の下方修正も、ランニングシューズやChinaビジネスの苦戦、国内の秋冬商戦の不振などを要因に挙げているが、大幅な収益の減少には至っていない。

国内を主体にしたスポーツ施設の運営受託ビジネスなど、新規分野の開拓も着実に進んでいる。第3四半期時点の「サービス/その他」の売上高は224億円(0.4%増)。フットウエアやアパレルの380億円には及ばないが、「イクイップメント」の285億円に近付きつつある。

主力商材の1つ、「フットウエア」は世界的なランニングシューズ市場の不振が影響し、苦戦傾向だ。アパレルは規模の大きい国内市場の不振が影響し、マイナス傾向にある。イクイップメントはゴルフ品などの苦戦が影響している。しかし、欧州市場でインドアシューズなどがプラス成長している。

美津濃、2019年3月期 業績予想修正(表3)

美津濃、2019年3月期 業績予想修正(表3)

海外市場に目を転じると、第3四半期における海外売上比率は、32%(2.0ポイント減)。「日本」が874億円(4.0%減)と引き続き、主力市場である。「米州」が140億円(15.7%減)、「欧州」が112億円(3.7%増)、「アジア/オセアニア」が150億円(5.1%減)。欧州が健闘しているが、全体的に比率は低い。まだまだ開拓の余地がありそうだ。

強みの競技スポーツ、堅調な施設事業に加え、ランニングシューズやChinaビジネスが復調すれば、再び業容を拡大できる余地は大いにある。健康・ライフスタイルという汎用性を伴った新しい市場の開拓もこれからだ。