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主要国内上場スポーツメーカー──過去5年間の収益動向を見る
第2回:美津濃
課題は国外ビジネスの拡大

update: 2018/01/19

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美津濃、2013年3月期 財務諸表(表1)

美津濃、2013年3月期 財務諸表(表1)

国内の主要な上場スポーツメーカーの過去5年間の収益動向をまとめた財務分析レポート。第1回目は、国内売上規模が最も大きいアシックスを取り上げた。第2回目は、美津濃(以下、ミズノ)を取り上げる。「2013年3月期」と「2017年3月期」の業績を比較する。

国内は安定基調

ミズノは、2013年3月期の連結売上高が1,636億円、2017年3月期は同1,887億円と15.3%増加している。欧州やアジア/オセアニアの伸びが貢献した形だ。営業利益は13年が36億円、17年が144億円で、4倍に増加している。アシックスと異なり、国外の売上比率は32%と半分以下で、国内ビジネスが主流である。日本ディビジョンの売上高は13年が1,217億円、17年が1,285億円とほぼ同じ規模。成熟市場で新規開拓が難しい国内だが、安定基調であることは間違いないだろう。

美津濃、2017年3月期 財務諸表(表2)

美津濃、2017年3月期 財務諸表(表2)

売上高総利益率(粗利率)は、13年が41.0%で、17年は37.5%と3.5ポイント減少している。営業利益率は同2.2%から0.8%に下がっており、利益の効率性を高めることが課題の1つだと考えられる(表1・表2を参照)。

財務面は安定している。13年3月期は「セノー」のグループ化などでややD/Eレシオが増加したが、年々減少しており、17年3月期では、正常値と言われる0.3倍を下回った。商品回転率は13年が3.4回転、17年が3.2回転とほぼ同じ水準だ。