米国スポーツ系小売店2社、2024年1月期 決算まとめ──コスト増で減益の傾向に
update: 2024/04/23
米国スポーツ系小売店２社、
2024年1月期まとめ（表1）
米国スポーツ系小売店2社の2024年1月期連結決算をまとめた。対象にしたのは、Foot Locker,Inc.（フットロッカー社）とDICK’S Sporting Goods,Inc.（ディックススポーティンググッズ社）。コスト増の影響で減益の傾向となった。
フットロッカーは損失計上、ディックスは過去最高の売上収益
Foot Locker,Inc.の連結売上収益は、81億5,400万米ドル（約1兆1,415億6,000万円、1米ドル＝140円で換算）、6.8％減の減収となった。アスレチック系の業態「Champs Sports」や主力の北米地域の売り上げが苦戦。売上総利益率（粗利率）が27.7％（4.2ポイント減）と大きく落ち込んだほか、販管費率の増加も足を引っ張り、営業利益は1億4,200万米ドル（約198億8,000万円、同）、75.6％減で大幅な減益に至った。
税引前損益は、営業外費用（少数株主投資に対する非現金費用や年金制度債務の一部決済費用等）の計上が影響し、4億2,300万米ドル（約592億2,000万円、同）の損失を計上するに至った。当期純損益は3億3,000万米ドル（約462億円、同）だった（表1を参照）。
米国スポーツ系小売店２社、
2024年1月期 セグメント別売上収益（表2）
地域別の売上収益は、主力の「North America」（北米）が58億6,600万米ドル（約8,212億4,000万円、同）、8.7％減と苦戦した。「EMEA」（欧州、中東、アフリカ）は17億2,300万米ドル（約2,412億2,000万円、同）、2.1％減と前年に近い推移。旧テクストトレーディングカンパニー（現フットロッカーアトモスジャパン）の「atmos」（アトモス）業態は1億7,800万米ドル（約249億2,000万円、同）、2.1％減だった。
DICK’S Sporting Goods,Inc.の連結売上収益は、129億8,400万米ドル（約1兆8,177億6,000万円、同）、5.0％増とほぼ前年並みだった。粗利率は34.9％（0.3ポイント増）と微増。販管費率が増えた影響で、営業利益が12億8,200万米ドル（約1,794億8,000万円、同）、12.4％減の減益。税引前利益は13億1,800万米ドル（約1,845億2,000万円、同）、4.7％減。当期純利益も10億4,600万米ドル（約1,464億4,000万円、同）、0.3％増の微増益となった）。
主力の「Hardlines」（スポーツ用品類）が49億1,500万米ドル（約6,881億円、同）、0.7％減とほぼ前年並みだった。「Apparel」（アパレル）は43億2,900万米ドル（約6,060億6,000万円、同）、2.6％増と堅調な推移。「Footwear」（フットウエア）が33億8,800万米ドル（約4,743億2,000万円、同）、13.7％増と前年に続いて2ケタ増と好調に推移した。
