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外資系上場スポーツ企業、2023年12月期の業績展望──② PUMA
利益率の回復が当面の課題

update: 2024/02/01

過去5年間、順調に収益を拡大してきたPUMA。 2023年は踊り場にさしかかった(画像はイメージ)

過去5年間、順調に収益を拡大してきたPUMA。
2023年は踊り場にさしかかった(画像はイメージ)

2023年12月期の主要な外資系上場スポーツ企業の本決算開示を間近に控えた現時点で、主要各社の業績を展望する。第2回目は、PUMA(プーマ社)を取り上げる。前期(2022年12月期)は増収増益で、成長路線を持続した。当期(2023年12月期)は第3四半期終了時点で増収を達成しているが、2ケタの減益で利益が低下している。

各地域でまんべんなく売上規模が拡大

PUMA、2022年度・2018年度 財務数値一覧(表1)

PUMA、2022年度・2018年度
財務数値一覧(表1)

アディダスの章と同様に、過去5年間の業績の推移を比較している。表1は2022年12月期と2018年12月期の業績を併記したものだ。売上規模、利益の額共、順調な成長を続けてきた。売上収益および利益共に2倍近く拡大している。

地域別の売り上げでは、「EMEA」(欧州・中東・アフリカ)がけん引してきたが、急成長したのは、「Americas」(米州)。2018年度に16億1,200万ユーロだった売上額が、2022年度には36億8,500万ユーロにまで拡大した。実に2倍以上の増加率である。日本を含む「Asia/Pacific」(アジア・太平洋)も着実に規模を拡大してきた。

PUMA、2022年度・2018年度 セグメント別売上高(表2)

PUMA、2022年度・2018年度
セグメント別売上高(表2)


商品別でけん引役になっているのは、主力の「Footwear」(フットウエア)、シューズ類だ。過去5年間で売上規模がおよそ2倍にまで増加した。「Apparel」(アパレル)よりも高い成長率である。

当期の第3四半期時点では、「EMEA」と「Asia/Pacific」は2ケタ増と好調を維持しているが、「Americas」が5.4%減の減収とブレーキが掛かっている。為替の影響や投資の増加もあり、利益が減少している。当面の課題は、利益の回復だろう。(続く)