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主要スポーツ上場6社、2017年3月期決算まとめ
円高の影響で利益が目減り、国内組が健闘

update: 2017/05/15

スポーツ上場6社、2017年3月期 財務諸表(表1)

スポーツ上場6社、2017年3月期
財務諸表(表1)

主要スポーツ上場6社の2017年3月期決算が出揃った。対象は、美津濃(以下、ミズノ)、デサント、ゴールドウイン、ヨネックス、ゼット、グローブライド(順不同)。国外ビジネスを展開する企業において、円高の影響で収益が目減りしたこともあり、増収増益を達成したメーカーは2社だった。増収は4社、ゼットは黒字回復した。

増収増益は2社、為替の変動がマイナスに

ミズノやデサントなど海外展開を進める企業が概して、円高の影響で収益の額を落としたが、現地通貨ベースでは健闘が見られた。その半面、輸入が有利になるゴールドウインやゼットなどの国内主力組は収益性が改善した。ヨネックスは、中国販売子会社で直販を始めた影響で、収益が大幅に増加した。

ミズノの売上高において、為替の影響で減収した額は83億円。現地通貨ベースでは、米州は立て直し中のため収益性が低下したが、欧州は11%増、アジア・オセアニアは9%増と健闘した。主力の国内事業では、ゴルフが厳しかったものの、ベースボールやサッカーなど競技スポーツは堅調だった。また、スポーツ施設運営事業も好調だった。

デサントは売り上げに占める為替のマイナス要因が106億円と大きかった。現地通貨ベースでは、デサントコリアが106%、中国ビジネスが104%と堅調だった。けん引役になってきた韓国ビジネスだが、消化率の悪化や「ルコックスポルティフ」の苦戦などにより少しブレーキがかかった。国内事業はアスレチック関連が好調だった。ブランド別では、主力に成長した「デサント」が引き続き好調な推移だった。

ゴールドウインは主力のアウトドアがけん引役になり、増収増益を達成した。「チャンピオン」ブランドの事業譲渡の影響が残る中、健闘した。売上高総利益率(粗利率)が改善し、収益性が高まった。アウトドアのほか、「カンタベリー」「ブラック&ホワイト」が健闘した。「エレッセ」や「スピード」は苦戦した。

ヨネックスは主力のバドミントンビジネスが引き続き好調な推移だった。国内が堅調な推移だったほか、前述の中国販社が好調だった。ゼットは、自社品のベースボール「ゼット」やスイム関連のほか、サッカービジネスが一昨年のワールドカップの反動から回復してきたこともあり、増収を達成した。売上高が8期ぶりの400億円台に到達した。利益面は粗利率の改善および販管費の削減により、黒字を回復した。