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adidas グループ、2016年12月期 本決算
欧米市場を中心に続伸、増収増益に

update: 2017/03/10

adidas Group、 2016年12月期 財務諸表(表1)

adidas Group、
2016年12月期 財務諸表(表1)

adidas(アディダス) グループの2016年12月期(2016年度)の本決算は、欧米市場を中心に売り上げが続伸し、増収増益になった。為替の影響を除いた売上高では、全地域で増収を達成した。日本市場は2ケタの成長で、増収増益だった。主力のFootwear(シューズ)がけん引役になった。

日本やアジア、中東も2ケタ増

連結売上高は、192億9,100万ユーロ(約2兆3,535億200万円)、14.0%増と2ケタの伸びだった。なお、為替レートは期末(12月30日)の1ユーロ=122円を使用して換算している。営業利益は、14億9,100万ユーロ(約1,819億200万円)、40.8%増。当期純利益は、10億2,000万ユーロ(約1,244億4,000万円)、59.4%増となった(表1を参照)。売上高総利益率(粗利率)は48.6%と微増している。

アイテム別では、主力のFootwearが101億3,500万ユーロ(約1兆2,364億7,000万円)、21.2%増と好調で、けん引役になった。シューズだけで1兆円規模の売り上げまで拡大した。Apparel(アパレル)は、74億7,600万ユーロ(約9,120億7,200万円)、7.3%増と堅調な推移だった。

adidas Group、 2016年12月期 地域別売上高(表2)

adidas Group、
2016年12月期 地域別売上高(表2)

地域別では、主力のWestern Europe(西欧)が52億9,100万ユーロ(約6,455億200万円)、16.6%増と好調だったほか、North America(北米)も34億1,200万ユーロ(約4,162億6,400万円)、23.9%増と2ケタの成長だった。Greater China(中華圏)は30億1,000万ユーロ(約3,672億2,000万円)、21.9%増で30億万ユーロ台に到達した(表2を参照)。MEAA(中東・アフリカ等)も26億8,500万ユーロ(約3,275億7,000万円)、12.4%増と好調だった。

日本ディビジョンは、売上高が10億700万ユーロ(約1,228億5,400万円)、29.8%増と好調な推移だった。為替の影響を除いた数値でも16.0%増と2ケタ増だった。売り上げの約90%を占める「アディダス」ブランドが30%増とけん引役になった。「リーボック」ブランドも25%増と好調だった。粗利率は49.4%(2.3ポイント増)と改善した。セグメント利益は2億700万ユーロ(約252億5,400万円)、41%増と増加した。

財務面では、効率性指標がやや低下したが、流動性指標ではD/Eレシオが改善している。全体的に各数値は安定しており、当面の懸念材料は見当たらない。ROAおよびROEも増加している。

通期では、連結売上高を214-217億ユーロ(11-13%増)と想定している。営業利益は18-20%増の計画だ。地域別では、西欧や北米、中華圏が引き続き2ケタ増で推移すると見ている。日本は1ケタ台後半の増収を計画している。