TOP > 財務分析レポート > ゴールドウイン、2025年3月期 連結決算─...

ゴールドウイン、2025年3月期 連結決算──増収を達成、販促などの経費増で減益に

update: 2025/05/16

ゴールドウインの2025年3月期は増収減益に。 一時的な経費増が影響した(画像は「ゴールドウイン」ブランド)

ゴールドウインの2025年3月期は増収減益に。
一時的な経費増が影響した(画像は「ゴールドウイン」ブランド)

ゴールドウインの2025年3月期連結決算は、増収を達成した。販促費などの増加で減益に至ったが、増収増益基調にある。主力ブランドの「ザ・ノース・フェイス」(TNF)の売上規模が1,000億円の大台に到達した。引き続きけん引役になっている。

「ザ・ノース・フェイス」ブランドが1,000億円台に到達

ゴールドウイン、2025年3月期 財務数値一覧(表1)

ゴールドウイン、2025年3月期
財務数値一覧(表1)

連結売上高は1,323億500万円(4.3%増)の増収。暖冬の影響もあったが、気温低下で第4四半期は業績が回復した。「TNF」がインバウンド需要を取り込み、健闘した。売上高が1,015億円(4.1%増)と健闘した。強化ブランドの「ゴールドウイン」も順調に出店が続いている。売上総利益率(粗利率)は52.1%(0.8ポイント減)。販管費率が増えた影響で、営業利益は219億500万円(8.1%減)の減益となった。経常利益も308億600万円(5.5%減)の減益だった。

事業区分別の売上高では、主力の「ライフスタイル」が805億5,000万円(8.6%増)とけん引役になった。「パフォーマンス」は400億4,900万円(4.2%減)減収。「ファッション」は117億600万円(7.3%増)と堅調だった。

ゴールドウイン、2025年3月期 事業区分別売上高(表2)

ゴールドウイン、2025年3月期
事業区分別売上高(表2)


財務面では、棚卸在庫が増えているが、これは商材を前倒し投入したことによる影響で、計画通りの水準。商品回転率、交差比率は減少したが、流動性指標は引き続き改善している。手元流動性資金も潤沢で、財務面の不安要素は特に見当たらない。

通期の業績は、増収増益の見通しだ。連結売上高1,405億円(6.2%増)、営業利益259億円(18.2%増)、経常利益339億円(10.0%増)。今期は一時的な経費増の要因がなくなるため、再び増益に転じる計画である。「ゴールドウイン」ブランドの出店も進んでおり、今期もChina市場の店舗網構築を進める。