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東洋紡のウエアラブル機能素材
「COCOMI(心美)™」の挑戦
ニーズを模索、新しい市場の創造を目指す

update: 2015/10/19

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「COCOMI(心美)™」。 ウエアラブル市場の開拓が 本格化し始めた

「COCOMI(心美)™」。
ウエアラブル市場の開拓が
本格化し始めた

東洋紡が開発したウエアラブル機能素材「COCOMI(心美)™」(ココミ)。同社の導電材料を使用したフィルム状の素材で、今年8月11日の発表後、スポーツを中心に様々な分野の企業20数社から引き合いがあったという。製品への落とし込みはこれからの作業だというが、新しい市場の創造を目指した取り組みが進んでいる。

スポーツ中心に非衣料分野からも問い合わせ

問い合わせが合った分野は、スポーツ関連メーカーが最も多く複数社あった。そのほか、ワーキングやインナーなどアパレル関連メーカーからの問い合わせもあった。非衣料分野では、メディカルやイベント関連企業の声掛けもあったという。「“ウエアラブル”という言葉が注目されている」(作田光浩・技術開発調達総括部 技術開発部長)と感じている。

いわゆる“スマートウエア”と呼ばれるものは10数年前から、業界で研究テーマの1つとして認識されており、「隠れた開発テーマだった」(作田部長)という。最も進んでいたのは軍事用途だというが、実用化が可能なまでに技術革新が進んできたことも、昨今、増えているウエアラブル関連素材や製品の発表につながっているようだ。「当時、COCOMIのような、身体の各部にセンサーを付けて動きの変化をモニターする機器は存在した。導電繊維もあったが、研究室レベルの話で、実用化には程遠かった」(同)。“デバイス”のサイズも大きく、携帯に向かない面もあった。

計測したデータを処理・記憶することができる「スマートフォンの登場が大きかった」(作田部長)という。携帯できるパソコンという機能を持っているため、情報処理が容易になった。「ようやく、ウエアラブル素材を実用化できるまでの要素が揃ってきた」(同)。