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ミズノ、TVアニメ「ユーリ!!! on ICE」との協業アイテムが好評

update: 2018/03/26

ミズノが「ユーリ!!! on ICE」と コラボした画像

ミズノが「ユーリ!!! on ICE」と
コラボした画像

ミズノがフィギュアを題材にしたアニメーション作品「ユーリ!!! on ICE」と協業したアイテムが好評だ。作中で登場人物が着用するウエアなどを実際に企画・販売するという試みだ。日本代表選手のウエアを着用した登場人物のイラストを発信するなど、現実と二次元を融合させたブランド発信の一環である。

新規の顧客開拓が進む

同社は、公益財団法人日本スケート連盟との契約で、ウエアなどを提供していることもあり、今回の協業企画が実現した。そもそも「ユーリ!!! on ICE」では日本代表である主人公が同社のジャージを着用しているという経緯もあった。

昨年12月のスケート日本代表選手の発表に合わせ、ツイッターなどSNSを通じて、日本代表ウエアを着用した「ユーリ!!! on ICE」の登場人物の描き下ろしイラストを発信したところ、2万を超えるリツイート、4万件近い「いいね!」が集まった。こうした情報発信が功を奏し、ウェブショップ限定の販売にも関わらず、レプリカウエアの売り上げが目標の3倍に達した。

描き下ろしイラストには 2万を超えるリツイート、 4万件近い「いいね!」が集まった

描き下ろしイラストには
2万を超えるリツイート、
4万件近い「いいね!」が集まった

主な顧客層は若い女性層で、「ユーリ!!! on ICE」のファンが多いようだ。また特徴は、購入者の約90%が新規顧客だったこと。普段、同社が取り込み切れていない客層からのアプローチがあった。

こうした取り組みのきっかけになったのが、以前、同社のベースボール部隊で取り組んでいた協業企画。野球を題材にしたアニメ「ダイヤのA」が好評を博した事例がある。こうした成功事例を参考に、「ECチームと連携し、いかに露出度を高め、ミズノにいままで関わりのなかったユーザーにアプローチできるか?」を考えた。(ミズノ コンペティションスポーツ事業部事業企画部鳥居正敏氏)

最も気を使った点は、「二次元とリアルを融合させて発信すること」(鳥居氏)。あらゆる切り口=媒体を活用したブランド発信に留意した。今年1月、大阪・本社1階の展示スペースに「ユーリ!!! on ICE」の特別コーナーを設けたところ、初日に1,400人ものファンが駆け付けた。ツイッターのみの発信だったが、効率良くファンに情報を発信することができた。

「今後も機会があれば、こうした取り組みを企画したい」(鳥居氏)と抱負を語る。いわゆる新しい顧客との“タッチポイント”だが、競技色の強かった「ミズノ」ブランドの、新しい側面を認知してもらえる可能性がある。