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スポーツ専門店を導入したファッションビル
大阪・阿倍野、Hoopの試み

update: 2014/01/14

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スポーツ専門店を導入した ファッションビルのHoop

スポーツ専門店を導入した
ファッションビルのHoop

大阪・阿倍野区にあり、近鉄百貨店が管理・運営するファッションビル「Hoop」(フープ)。昨年11月、その5階にバスケットボールとラケットスポーツの専門店がオープンした。競技者層をターゲットにした本格的なスポーツショップだ。阿倍野・天王寺地区は複数の電鉄路線が乗り入れるターミナル立地だが、ファッションビル内にショップインショップとしてスポーツ専門店が出店するケースは珍しい。ファッション関連テナントに囲まれた館内にスポーツショップを誘致した狙いは何か。

3館体制で住み分け図る

Hoopは13年前、高感度ファッションを求めるカップル客をメーンターゲットにするファッションビルとして、近鉄百貨店阿倍野店(現「あべのハルカス近鉄本店」)の隣に開業した。今年3月7日にグランドオープンを迎える複合商業施設「あべのハルカス」に出店している近鉄百貨店の本店を補完する館に位置付けている。またHoopの隣には上質感をコンセプトにした生活雑貨などのテナントを集積したファッションビル「and」(アンド)もあるが、こちらも近鉄百貨店が管理・運営する施設だ。この3館体制で互いの商材や顧客層を補完しないながら、グループで集客力を高める狙いがある。

Hoopの手直しが検討され始めたのは5年前の近鉄本店の改装工事がきっかけだった。「あべのハルカス」の建設・開業が決定すると、旧近鉄百貨店阿倍野店のフロア構成の見直しが始まった。営業を続けながら改築工事を進める形式を採ったため、スペースが足りず行き場を失ったテナントがいくつか出てきたが、こうした有力なショップの受け皿になったのがHoopやandだった。

そこで浮上してきたのが、スポーツや雑貨など今まで取り扱いがなかった商材。Hoopの高感度ファッションを求めるカップル客をメーンターゲットにする当初のコンセプトはそのままで、スポーツファッション、ファッション雑貨とライフスタイル提案の幅を広げる形で展開商材の幅を広げることにした。周辺にスポーツ専門店が少なかったこともあり、新たな試みとして競技志向のテナントを導入するに至ったという。