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『マーケット分析』
「デサント」ブランドにおけるビーチバレー戦略

update: 2011/09/14

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欧州で夏の顔に

浦田・西堀ペア。ビーチバレーの認知度向上がカギ

浦田・西堀ペア。ビーチバレーの認知度向上がカギ

ではなぜ、国内でマイナーな種目を狙って投資することを決めたのだろう。同社は2007年、日本ビーチバレー連盟および国際バレーボール連盟(FIVB)の間で、ビーチバレーのウエアで公式パートナー契約を結んだ。期間は2012年12月31日までで、選手・審判員のウエアを提供する。ロンドン五輪のビーチバレーでは、出場選手や大会関係者は「デサント」ブランドのウエアを着用することになる(選手はサポートを受けているスポーツブランドのウエアの上に着用することになる)。

デサントは世界のナイキ、アディダス、プーマ、国内メーカートップのアシックスやミズノと比べると売上規模が小さい(年商約800億円)。加えて、強みにするアイテムがスポーツアパレルで、シューズが強くないという面もあった。半面、高機能なスポーツウエアとしての定評を国内外で得ているため、その長所を効率良くアピールできる競技に集中投資を試みたようである。

「デサント」ブランドは欧州・米州ではスキーウエアブランドとして認知されている。2011年3月期連結のスキー(アウトドア含む)の売上高は36億円(13%増)。欧米の秋冬シーズンでは、定位置を確保している。春夏シーズンの提案の切り口として、欧州でフィギュアスケート並みに注目度の高いビーチバレーに白羽の矢が立った。

スペインなどでは、冬場にスキーウエアを販売している現地の代理店が、春夏シーズンに同ブランドのアスレチック(競技)ウエアを置くようになってきたという。売上規模はまだ小さいが、欧州で年間定番ブランドとして販売する足掛かりができつつある。