ゴルフウエア 2015年秋冬シーズンの傾向を見る(中)
百貨店系ブランド、よりアパレルを意識
update: 2015/03/31
2015年秋冬シーズンの主だったゴルフウエアブランドの展示会。機能性を標準装備し、ファッション性やデザイン性でブランドの世界観を演出し、差別化・住み分けを図ろうとしている。原則、販売員が付かないゴルフ専門店・量販店ブランドは単品志向だが、接客を重視する百貨店ブランドでは、よりアパレル的なアプローチが一般化している。
2週間MD、別ラインで切り口増やす
ゴルフウエアはプレー、行き帰り、練習(打ちっ放し)など対応すべきシーンが多く、商品企画の構成が難しい商材だと言われる。昨今はランニングやフィットネス、リラクシングなどの新しいトレンドを意識した商材も企画されるようになってきた。次世代ゴルファーを取り込むためのヤングマインドの新ラインを展開するケースも少なくない。
デサントの「マンシングウェア」は15年秋冬シーズンで2週間単位のMD提案を強化する。ファッションブランドでは広く採用されているいわゆる“52週MD”に該当する。立ち上がりは7月27日の端境期から始まり、12月中旬まで9つの期間=スタイリングに細分化して展開する。それとは別途、シーズンを通した定番品「スタンダード」と、30-40代ゴルファーに向けた「R-ライン」を随時、差し込んでいくという構成だ。
2011年ごろから若返りを目的としたリ・ブランディングに取り掛かった「マンシングウェア」。一時期、売り上げが下がり苦戦を強いられていたが、パターンやデザインをヤングマインドに振ったことで従来顧客の一部が新しい商材を敬遠した影響だった。新規顧客も付き始め、ようやく底を打って上昇基調に乗りつつある。2週間MDの強化は、よりファッション感度の高い新しい顧客に対応する一面もあるようだ。
今春デビューした「HC ムニタルプ」(グリップインターナショナル)は、“ゴルフ・クチュール”をコンセプトにした新ライン。シック・エレガンスを軸にした「ヒールクリーク」ブランドの別ラインとして登場した。色を排したモノトーン調が特徴で、「ヒールクリーク」の既存顧客や新規客へ向けて、新しいテイストを提案している。
「ブラック&ホワイト」(ブラックアンドホワイトスポーツウェア)ブランドのヤングマインドライン「ブルーレーベル」、アスリート志向の「アンパスィ」も別ライン展開の一例。軸は「ブラック&ホワイト」ブランドだが、幅広いファンを取り込んでいくために、別ラインで切り口やテイストを明快に分けて提案している。