主要合繊メーカー 2015年春夏 スポーツ素材
“クーリング”機能の重要度が高まる
増える天然素材テイストのニーズ
update: 2013/12/26
綿ライクな生地、活躍の場広がる
遮熱、吸汗速乾、クーリングに加え、もう1つの新しい流れが、天然素材の風合いを持った合繊素材のニーズだ。東レでは綿ライクの複合糸「フィールフィット®」がポロシャツなどの用途に採用され、順調に売り上げを伸ばしている。スポーツカジュアルやタウンユースなど、競技以外のシーンに広がることを期待している。
東洋紡STCの
「モアナ」
東洋紡STCは「モアナ™」を提案。綿ライクのソフトな風合いが特長。トレーニングウエアなどには最適の素材だ。スポーツのトレーニングウエアではスウェットにトレンドが移りつつある。素材感の異なる合繊の提案は、こうした新しいトレンドに適応するとともに、次のスタイリングを生み出す可能性を秘める。そのほか、強化ポイントの1つに掲げるゴルフウエアでは、高強力軽量ナイロン「シルファイン®」のほか、綿とポリエステルの複合糸なども提案した。
ユニチカトレーディングは綿とポリエステルの複合糸「パルパー®」を再度、強化する。中心がポリエステル、外側の“鞘”部分が綿で、両素材の長所を1つにした。15年春夏シーズンでは、スラブ紡績糸「パルパー®CS」を新たに提案したが、これは杢調など天然素材や生地の表情変化を求めるトレンドが、スポーツシーンでも広がっているためだ。競技シーンのほか、スポーツカジュアルなどタウンユースも可能なアイテムへの拡販を期待している。
帝人フロンティアでも、「表情のある生地が求められている」と指摘する。天然素材ライクであることが第一義ではないが、汗じみが目立たない機能を持つ「デュアルファイン®」という新素材も提案した。汗じみの目立つ生地が杢調で、レディスもののフィットネスやリラクシング系ウエアでも定番の柄である。この素材が活躍する場として、こうしたスポーツから派生したフィットネス系シーンを想定している。
旭化成せんいでは、吸水機能を持続する機能を持った「シュアドライ®インフィニティー」を開発・提案した。吸水剤を使わないため、生地由来の吸水機能が長く続く。
