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『注目パーソン・インタビュー』
アシックス 渡辺博司
執行役員プロダクトマーケティング統括部長
アスレチック・スポーツスタイルプロダクトマーケティング部長
デザインセンター長

update: 2012/01/10

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「シンク・グローバル、アクト・ローカル」

日本で今春デビューする「ASICS33」

日本で今春デビューする「ASICS33」

「企画自体は地域ごとに最終的に主導しているので、グローバルで企画を作って一斉に落とし込むことはありません。機能性は世界である程度認められているが、ナイキやアディダスに比べるとデザインの部分が遅れている。あるいはイノベーティブなイメージも然り。機能も含めたイノベーションは来期からもう一度、ヘッドクオーターとして開発マター中心だが強化していこうとしています。そこにデザインの部分も連動してデザインセンターが一体で開発していこうとしています」

「特にランニングで市場をリードできる新しいデザインを作ること。グローバルでデザイン力をアップしていこうという点では、デザインセンターが役割を担っています。2011年2月に、『アシックスデザインDNA』を作り上げました。『アシックスのデザイン性の方向性はこうだよ』というグローバルでのフィロソフィー(哲学)です。フットウエアでもアパレルでも、それを各国に浸透させるべく活動している最中です。それに基づき新しいデザインをデザインセンターで提案している。開発と連動しながら、新しい切り口での提案力を高めようとしています」

デザインの方向性(ディレクション)については、大きな指針を示すに止まっている。流行を先取りする必要があるため、情報収集が難しい面もあるからだ。

「(デザインの)ディレクションに関しては、デザインセンターの方で先のシーズンをかなりやっていくので、各地域で収集できるシーズンディレクションに限界ある。この部分はデザインセンターのネットワークを強化して、グローバルで情報を収集して、そこでアシックスのデザインDNAと連動しながら常に18カ月先の『グローバルデザインダイレクション』という形で発信している部分があるので、カラー(色)もそうだが、各国のプロダクトマーケ部隊に落とし込んでいます。それがベースになって、今度はローカル化でそれぞれのデザインダイレクションを固めていく流れを――1つのグローバルとローカルの連携の流れを作りつつあります」

「シンク・グローバル、アクト・ローカル」(グローバルに考え、ローカルに動く)という尾山基社長の価値観が目に見える形として構築されている。

「デザインに派生する時の、デザインの消化の仕方の方向性を明確にしている、ということです。それを今、社外にどんどん浸透させていっている。これからの商品なので店頭には並んでいませんが、それが蓄積されることでグローバルなアシックスのデザインの一貫性を高めていきながら、レベルを上げていきたい」