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主要上場外資系スポーツ企業3社、2024年12月期 連結決算──収益の確保に苦戦する傾向が色濃く

update: 2025/03/21

外資系スポーツ上場企業3社+1、 2024年12月期決算まとめ(表1)

外資系スポーツ上場企業3社+1、
2024年12月期決算まとめ(表1)

主要上場外資系スポーツ企業3社の2024年12月期連結決算をまとめた。増収や増益、黒字回復を果たした企業もあるが、全体的に収益確保に苦慮した傾向が見られる。唯一、アディダス社が増収増益を達成した。

各社で明暗が分かれる

対象にした企業は、adidas Group(アディダス社)、PUMA(プーマ社)、TOPGOLF CALLAWAY BRANDS COORP.(トップゴルフキャロウェイブランズ社)の3社。決算期を変更(12月期から3月期に移行)したUnder Armour(アンダーアーマー社)の第3四半期も参考に加えた。

adidasは、主力の欧州ビジネスが健闘。アジア地域なども好調に推移し、増収増益となった。連結売上収益は236億8,300万ユーロ(約3兆8,366億4,600万円、1ユーロ=162円で換算)、10.5%増で、2ケタの増収。営業利益が13億3,700万ユーロ(約2,165億9,400万円、同)、398.3%増と大幅に改善した。

外資系スポーツ上場企業3社+1、 2024年12月期決算まとめ セグメント別売上高(表2)

外資系スポーツ上場企業3社+1、
2024年12月期決算まとめ セグメント別売上高(表2)

PUMAは、微増収、減益。連結売上収益は、88億1,700万ユーロ(約1兆3,313億6,700万円、1ユーロ=151円で換算)、2.5%増。売上総利益率(粗利率)は47.4%(1.1ポイント増)と改善。販管費率が増加したこともあり、営業利益(EBIT=利払前税引前利益)は6億2,200万ユーロ(約939億2,200万円、同)、0.1%増でほぼ前年並みとなった。

TOPGOLF CALLAWAY BRANDS COORP.は、「“のれん”および無形資産の減損」の計上が大きく響き、損失を計上するに至った。ゴルフ用品「キャロウェイゴルフ」ブランドは、主力のゴルフクラブが伸び悩んだ。連結売上収益は42億3,900万米ドル(約6,400億8,900万円、1米ドル=151円で換算)、1.1%減の減収。営業損益は12億5,700万米ドル(約1,898億700万円、同)の損失計上に至った。

Under Armourの2025年3月期第3四半期(4-12月)の 連結決算は、減収。販管費の増加が影響し、損失を計上するに至った。連結売上収益は39億8,300万米ドル(約6,253億3,100万円、1米ドル=157円で換算)、8.8%減。販管費の増加や、組織改善のための「Restructuring Charges」(再編費用)の計上も足を引っ張った。