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主要上場スポーツ企業5社、2024年3月期 第3四半期まとめ──全社で増収、利益面は経費増で格差が表われる

update: 2024/02/22

主要上場スポーツ企業5社、2024年3月期 第3四半期まとめ(表1)

主要上場スポーツ企業5社、2024年3月期
第3四半期まとめ(表1)

主要上場スポーツ企業5社の2024年3月期第3四半期(4-12月)の連結決算をまとめた。全社で増収を達成したが、経費増の影響を受けた企業は減益に至った。引き続き、慢性的な原材料の高騰など、不確定要素が存在している。

コストのコントロールがキーに

対象としたのは、美津濃(ミズノ)、デサント、ゴールドウイン、ヨネックス、ゼットの5社(順不同)。いずれも2023年12月末に第3四半期を迎えた企業である。増益を達成したのはミズノ、ゴールドウインの2社。デサント、ヨネックスは売上総利益率(粗利率)が改善したものの、販管費率の増加で減益に至った。

主要上場スポーツ企業5社、2024年3月期 第3四半期セグメント別売上高(表2)

主要上場スポーツ企業5社、2024年3月期
第3四半期セグメント別売上高(表2)

ミズノは2ケタの増収増益を達成した。国内外でフットボールやインドアスポーツが好調だった。国内では野球やワーキング分野が健闘した。販管費をうまくコントロールできたこともあり、営業利益が137億3,800万円(35.3%増)と第3四半期では過去最高益を達成した。国内ビジネスがけん引役になった。

デサントは増収を達成した。アスレチックおよびChinaビジネスがコロナ禍特需の反動で減収したゴルフビジネスをカバーした形だ。利益面は、ブランディング推進に伴う費用等の発生で減益。経常段階では、デサントチャイナの貢献で増益に転じた。

ゴールドウインは増収増益を達成した。暖冬で重衣料が影響を受けたが、インバウンド需要が後押ししたほか、主力の「ライフスタイル」商材が堅調だった。依然、高い収益性を持続している。売上比率20%台の利益を出しているのはゴールドウインだけである。タウンユース、ファッションとしても活用できる「ライフスタイル」がけん引役になった。

ヨネックスは増収を達成。第3四半期では過去最高額を更新した。利益面は、販管費増で減益となった。主力の「バドミントン」やアジアビジネスが好調な推移だった。収益の柱の1つになっている「アジア」が引き続き堅調である。