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主要上場米国スポーツ系小売店2社、2022年1月期まとめ
大幅な増収増益を達成

update: 2022/04/13

主要上場米国スポーツ系小売店2社、 2022年1月期まとめ(表1)

主要上場米国スポーツ系小売店2社、
2022年1月期まとめ(表1)

主要な上場米国スポーツ系小売店2社の2022年1月期をまとめた。対象はFoot Locker,Inc.とDICK’S SPORTING GOODS,INC.で、いずれも大幅な増収増益を達成した。コロナ禍の影響から脱して、順調に収益が回復してきた。売上収益は共に2ケタ増、利益も大きく改善している。

既存店舗の売り上げが回復

両社共にスポーツ系の商材を扱う小売店で、米国国内が主要な市場だ。Foot Locker,Inc.(フットロッカー社)は、「atmos」業態を展開する日本のテクストトレーディングカンパニーを買収し、日本をはじめアジアや太平洋地域における店舗網の拡大にも力を入れ始めた。DICK’S SPORTING GOODS,INC.(ディックス スポーティング グッズ社)は米国内に地盤を持つ。過去5年間で着実に業容を拡大している。

Foot Locker,Inc.の業績は、連結売上収益が89億5,800万米ドル(約1兆301億7,000万円、1米ドル=115円で換算)、18.7%増と好調に推移。売上総利益率(粗利率)は34.4%(5.5ポイント増)と大きく改善、営業利益は8億6,000万米ドル(約989億円、同)、183.8%増で大幅な増益となった。同様に、税引前利益が12億4,000万米ドル(約1,426億円、同)、151.0%増の増益。当期純利益も8億9,300万米ドル(約1,026億9,500万円、同)、176.5%増と大きく伸ばした。

既存店ベースの売り上げは15.4%増と大きく改善した。期末の店舗数は、2,858店(251増、391減)。主力の「Foot Locker」業態では、米国内が802店(24増、70減)と減少した。欧州が626店(29増、27減)とほぼ横ばい。グループ化した「WSS」は98店、テクストトレーディングカンパニーの「atmos」は37店。

DICK’S SPORTING GOODS,INC.は、連結の売上収益が122億9,300万米ドル(約1兆4,136億9,500万円、1米ドル=115円で換算)、28.3%増と大きく改善した。売上総利益率(粗利率)は38.3%(6.5ポイント増)。販管費率も減少したため、営業利益が20億3,400万米ドル(約2,339億1,000万円、同)、174.5%増と大幅な増益を達成した。税引前利益は19億9,400万米ドル(約2,293億1,000万円、同)、180.5%増。当期純利益も15億1,900万米ドル(約1,746億8,500万円、同)、186.6%増で増益となった。

期末の店舗数は、861店(14増、7減)。主力業態の「DICK’S Sporting Goods」が730店(6増、4減)と微増。「Specialty Concept Stores」が131店(8増、3減)と増加した。既存店ベースの売り上げは26.5%増と好調な推移だった。

Foot Locker,Inc.の通期見通しは、売上収益が約4.0-6.0%の減収。2019-2023年までの5カ年の中期計画を立てており、毎年5.0%前後の増収、2ケタ台前半のEBIT(税引前利払前利益)率、1ケタ台後半の当期純利益率、在庫回転率3-4回転を目標にする。「WSS」は2024年までに10億米ドル、「atmos」は3億米ドルまで売上規模を成長させる計画だ。DICK’S SPORTING GOODS,INC.の通期(2023年1月期)の既存店売り上げは約4%減から前年並みの見通しだ。