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アシックス、2021年12月期 連結決算
2ケタの増収、黒字を回復

update: 2022/02/16

アシックスの2021年12月期は 主力のパフォーマンスランニングがけん引役になった (画像は説明資料から抜粋)

アシックスの2021年12月期は
主力のパフォーマンスランニングがけん引役になった
(画像は説明資料から抜粋)

アシックスの2021年12月期の連結決算は、主力のパフォーマンス ランニングがけん引役となり、2ケタの増収を達成した。そのほかのカテゴリーも健闘し、前期の損失計上から黒字回復を果たした。コロナ禍もあり苦戦の続いていた同社だが、4年ぶりに売上高4,000億円を突破したほか、営業利益も5年ぶりに200億円台に回復した。

主力のパフォーマンス ランニングがけん引役に

アシックス、2021年12月期 財務数値一覧(表1)

アシックス、2021年12月期
財務数値一覧(表1)

連結売上高は4,040億8,200万円(22.9%増)と2ケタの増収。主力のランニングシューズが収益の回復に貢献した。強化を進めているデジタル販売などが奏功し、売上総利益率(粗利率)が49.5%(3.0ポイント増)と改善した。販管費率も低下した事から、英領利益219億4,500万円(前期は39億5,300万円の営業損失)を確保するに至った。

経常利益は221億6,600万円(前期は69億2,300万円の経常損失)。当期純利益は94億200万円(前期は161億2,600万円の当期損失)。コロナ禍の影響で店舗営業が制約され、店舗休止等損失55億円を計上した影響があった(表1を参照)。

カテゴリー別の売上高では、「パフォーマンスランニング」が2,082億円(31.0%増)と健闘した。カテゴリー利益も426億円(71.2%増)で、収益の柱となった(表2を参照)。「コアパフォーマンススポーツ」も売上高413億円(23.2%増)、カテゴリー利益50億円(260.5%増)と順調に回復した。「アパレル・エクィップメント」が売上高341億円(14.5%増)、カテゴリー損益が1億円の損失(前期は53億円の損失)と収益性が改善。「オニツカタイガー」が売上高385億円(13.6%増)、カテゴリー利益48億円(34.6%増)と好調な推移だった。

アシックス、2021年12月期 カテゴリー別・地域別売上高(表2)

アシックス、2021年12月期
カテゴリー別・地域別売上高(表2)

地域別の売上高では、懸案だった「北米」が861億円(31.8%増)と復調。ランニング専門店の強化が功を奏したほか、デジタル(EC)売上も後押しした。商品企画とマーケティング施策が噛み合ったようだ。全地域で2ケタの増収を達成した。「オニツカタイガー」の売り上げが大きかったChina市場においてパフォーマンスランニングの売り上げが上回った。北米と同様に、デジタルが健闘した。徐々にアスレチック市場も形成されつつあるようだ。

2023年度(2023年12月期)の中期計画値は当初予測を上回る見込みだ。しかしコロナ禍や物流など不確定要素が存在するため、通期見通しは慎重な数値である。連結売上高は4,200億円(3.9%増)、営業利益230億円(4.8%増)、経常利益225億円(1.5%増)、当期純利益135億円(43.6%増)の計画だ。