主要上場国内スポーツ企業5社、2021年3月期まとめ(下)
屋外カテゴリーが堅調
update: 2021/05/24
ヨネックス、アジア地域が健闘見せる
ヨネックスは売上高515億円(16.8%減)の減収、営業利益10億円(57.4%減)の減収減益だった。しかし売り上げは当初予測より上振れしたほか、売上総利益も想定を上回った。経費の削減も進み、利益を確保することができた。
主力のバドミントン用品の売上高は288億円(18.2%減)。テニス用品は同74億円(12.6%減)だった。地域別では、アジアが売上高182億円(3.0%減)、営業利益23億円(18.2%増)と健闘した。
東京オリンピックは静観の構え
今夏、1年延期されて開催予定の東京オリンピック・パラリンピックに関して、主要各社は静観の構えのようだ。オリンピック開催による経済効果を問う各種メディアの声は多いが、かねてスポーツ業界では、「オリンピックの開催で目立った経済効果はない」という見立てが一般的である。むしろ各競技への注目度か高まるため、終了後の秋以降において、スポーツ教室など競技人口の増加を期待する向きが多い。
日本人のオリンピック代表選手がメダルを獲り、レプリカウエアなど五輪関連商品が売れることはあっても、実際の競技に関する用具やアパレルが大量に売れることは稀だ(サッカーワールドカップ、ラグビーワールドカップ等の国際大会はこの限りではない)。
不透明なコロナ禍の収束を見据えながら、各社は業績の回復、拡大に力を入れつつある。元々、2020年という“切り”のいい年を目標に中期計画を立てていた企業が多かったスポーツ業界だが(東京五輪という大きなイベントも意識していた)、一区切りついた現段階から、次の新しい中期計画を策定し、業容拡大に取り組もうとしている。(終り)