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エスエスケイ、2023年7月期(非上場)──主力分野が復調し、増収増益に

update: 2023/10/27

エスエスケイ、2023年7月期 財務数値一覧(表1)

エスエスケイ、2023年7月期
財務数値一覧(表1)

スポーツ卸のエスエスケイ(非上場)が10月26日に開示した2023年7月期(第74期、2022年7月21日―2023年7月20日)決算は、主力分野が復調し増収増益を達成した。種目別では、サッカーやラケットスポーツなどのアスレチック分野、シューズなどが健闘した。

サッカーが堅調、フットウェアも回復見せる

売上高は491億7,800万円(12.4%増)で2ケタの増収。売上総利益率(粗利率)は18.0%(0.9ポイント減)と低下した。販管費率が17.7%(1.0ポイント減)と低下したこともあり、営業利益は1億2,100万円(109.3%増)と増益に至った。

エスエスケイ、2023年7月期 部門別売上高(表2)

エスエスケイ、2023年7月期
部門別売上高(表2)

経常利益はロイヤルティ収入や配当が加算され、4億4,300万円(2.5%増)とほぼ前年並みの数値だった。当期純利益は、関係会社の株式等の評価損を計上した影響で、1億2,600万円(50.0%減)の減益となった(表1を参照)。

部門別の売上高では、2本柱の「アスレティックスポーツ」「ライフスタイルスポーツ」共に増収を達成した。「アスレティック」では、サッカーやラケットスポーツが健闘した。「ライフスタイル」ではフットウェアが復調、アパレルも好調だった(表2を参照)。

2025年春夏から「ヒュンメル」ブランドでライフスタイル商材をスタート

自社製品では、「ヒュンメル」ブランドが10%増と好調に推移した。期中にオフィシャルサプライヤー契約を結んだJリーグチーム、ガンバ大阪の相乗効果も後押ししたようだ。同ブランドでは2025年春夏シーズンより、ライフスタイル商材の本格展開を計画している。競技スポーツのシーンで得た認知度を活用し、新規マーケットであるライフスタイル分野の開拓にも本腰を入れる。

そのほかフットウェアでは、「パラディウム」(50%増)が好調な推移。「ナイキ」「プーマ」「ニューバランス」「メレル」なども健闘した。おしなべて、フットウェア関連ブランドは健闘したようだ。

通期の業績は、売上高490億円(0.4%減)、営業利益1億5,000万円(24.0%増)、経常利益4億円(9.7%減)で、微減収減益を計画する。当期純利益は2億6,000万円(106.3%増)。売上高は、卸先の1つであるGMS「イトーヨーカドー」の店舗閉鎖の影響で減収となる見通し。中期的には、「低い利益率を高めていくこと」(佐々木恭一 代表取締役社長)が取り組み課題である。

部門別の通期業績は、「アスレティック」が6.0%以上の増収を見込んでいる。野球、サッカー、ラケットスポーツが主力になる計画。「ライフスタイル」は調整局面を迎えると分析しており、5.0%減の減収になる見通しだ。