帝人フロンティア、スポーツ素材展 2025年秋冬シーズン──ベースレーヤー向けの新素材「Octa®sf」を開発
update: 2024/06/13
帝人フロンティアは2025年秋冬シーズン向けのスポーツ素材として、ベースレーヤー向けの新素材「Octa®sf」(オクタ エスエフ)を開発した。同シーズン向けの素材展において、スポーツ関連企業を中心に提案する。
今期は昨年度並みを計画
コロナ禍が明けた反動で、欧州向けの輸出を中心に好調な推移だった2022年度の反動もあり、2023年度は生産調整に入り、買い控えが発生して減収減益に至った。国内事業は、前半は堅調だったが後半は暖冬の影響で伸び悩んだ。
今期(2024年度)の業績は、昨年(2023年度)並みを計画している。足元を固めた上で来期以降、巻き返しを図る構えだ。欧州向けの輸出はまだ回復途上、国内の推移は、上期は大きな動きはなかった。
一方、北米向けビジネスは堅調な推移だ。国内スポーツ・アウトドア系の市場では、ファッションを意識した商品への関心が高まりつつあり、新しい需要を開拓できる可能性があると考えている。
ベースレーヤー向けの新素材「Octa®sf」
2025年秋冬シーズン展では、変化する市場ニーズを意識した素材を提案した。その1つが「環境対応型」で、リサイクル糸を使った高付加価値品や新しい切り口の提案。生地の風合いでは、天然スパン調のニーズが続いている。合繊の持ち味を活かした差別化できる新素材の開発に力を入れた。
キーワードは“軽量、コンパクト”。ダウンジャケットも軽量でコンパクトな携帯しやすい仕様が求められるようになってきた。適度な保温性、通気性と汗処理の両立も重要で、ユーザーのニーズは贅沢になってきているようだ。
今回、新たに提案した素材は、ベースレーヤー向けの新素材「Octa®sf」。市場ニーズを意識した機能性を盛り込んでいる。外側に8つのフィンを持つ中空糸「Octa®」の進化版で、単糸が1dtex以下の極細ポリエステル原綿を新たに開発。ソフトな柔らかさや膨らみ感が特長だ。
ウールやテンセルなど、肌着として相性の良い素材と混紡した生地を開発、提案している。肌触りの良い風合いと自然な膨らみ感、吸水速乾性、軽量性、保温性などの機能性を併せ持つ。