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帝人フロンティア、2020年春夏スポーツウェア素材展示会
新素材「DELTA®SLX®」を開発
天然素材の風合いやストレッチ性、タウンユースも意識

update: 2018/12/03

新素材「DELTA®SLX®」を開発

新素材「DELTA®SLX®」を開発

帝人フロンティアは、2020年春夏シーズンのスポーツウェア素材展示会において、新素材「DELTA®SLX®」(デルタSLX)を開発・提案した。重点素材の1つ「SOLOTEX®」(ソロテックス)を基幹素材である「DELTA®」(デルタ)と組み合わせた。スポーツシーンのほか、天然素材テイスト・快適なストレッチ性が求められるタウンユースも視野に入れている。

通期は増収の見通し、利益面はコスト管理が課題

2018年度の通期では、堅調な業容の拡大により増収を達成できる見込みだ。為替や原燃料など、利益を圧迫する不確定要素があり、増益にはコスト管理が重要な課題だと考えている。しかし中期的には、2019年のラグビーワールドカップ、2020年に開催予定の東京五輪など世界的なスポーツイベントを控えていることもあり、市場拡大には期待を寄せている。

「DELTA®」を使ったハイゲージウエア。 タウンユースも意識している

「DELTA®」を使ったハイゲージウエア。
タウンユースも意識している

2020年春夏シーズンへ向けて、新たに提案する素材が「DELTA®SLX®」。基幹素材である「DELTA®」と、重点素材の1つ「SOLOTEX®」を組み合わせて、複合的な機能性の発揮を目指した。「DELTA®」用のマイクロクリンプ状の加工糸と、「SOLOTEX®」のコイル状3Dクリンプにしたコンジュゲート糸を組み合わせ、1本の糸を作った。タウンに対応するため求められていた天然素材テイストの“クリンプ”を付加する目的があった。

「DELTA®SLX®」の特徴は、より天然素材に近い風合い、強過ぎない快適なストレッチ性、優れた吸水速乾性、撥水性といった点だ。ソフトな風合いや耐久性、吸汗性や撥水性を持つ「DELTA®」と、優れたキックバック性を持つ「SOLOTEX®」という、2つの素材の長所を活かした新素材である。

採用分野は、もちろんスポーツシーンがメーンだが、一般アパレルなどタウンユースへの拡大も視野に入れている。初年度は最低でも1億円規模の出荷を目指している。スポーツウエアやリラクシングウエアなど、ストレッチ性を持った市場──スパンデックスの分野を意識して、新規開拓を目指す。