『イベントレポート』
盛況だった「TOKYO MARATHON EXPO 2011」
update: 2011/03/07
「イベントレポート、東京マラソンエキスポ2011」
目立った女性層の参加
主要なスポーツメーカーのブースで共通した傾向は、女性客が多かったこと。ランニング市場全体では過半数が男性ランナーだと推測されるが、東京マラソンはやはり“ハレ”の日なのだろう、シューズもアパレルもファッショナブルなアイテムを求める女性が来場したようである。
アディダスジャパンでは、「弊社のブースには結構女性のお客様も多くお越しいただいた」とのこと。「今年も実施した試し履き・試し走りでは、5,000人を超える方に体験していただき手ごたえを感じ」たようだ。ミズノでも若い世代の女性が多く訪れたという。1週間前に開催された「ジャパンゴルフフェア2011」の客層とはまた違ったらしい。各ランナーに合うシューズを選べるシステム「プリシジョンフィット」を来場者に提案した。ワコールは「マーケット自体は競争が激しくなっているのは確か。ただ激しい中でも市場自体は拡大しており、特に女性の方が増えているのでしばらくは拡大傾向にある。弊社はもともとアスリート向けには強いが、今後は裾野を広げて拡大していく方向」だという。Kappaは、「弊社のブースには、女性のお客様が数多く来場された。弊社のランニングに係る商品戦略に従い展示、販売商品を女性向けのファッショナブルなものにしたので、目論見どおり」だった。また、ブースを訪れた客層は「20代、30代の女性がほとんど」だったという。ヨネックスは「5,000部用意したパンフレットは3日間ですべて配布した」。
注目が高かったアディダスブース
最も広いブースを展開していたのはアシックス。特設ステージを設け、新しいランニングスタイルを発信した。ランニングシューズを持つメーカーでは試し履きに力を入れていた。ネイルアートという個性的な提案をするKappaのケースもあった。シューズはおしなべて、軽くて疲れないという点がセールスポイントだった。加えて、リアルなエンドユーザーと直に触れ合える貴重な機会なので、メールアドレスを聞くなどして顧客の囲い込みに余念がなかったようだ。「今後スポーツ業界もユーザーとの双方向のコミュニケーションに力を入れていくのでは」と予測するメーカーもある。
複数社から注目のブースとして挙げられたのがアディダスジャパン。2階建てのブースの2階部分に試走のためのトラックを設けた。見た目もアイデアも他社の関心を集めたようだ。一方、CW-Xはユーストリームとツイッターを活用。また昨年、会場の話題をさらった“お持ち帰り用袋”はプーマだったが、今年はKappaの大きな赤いデザインのものが目立ったらしい。
来年の「TOKYO MARATHON EXPO 2012」への出展に前向きなメーカーもすでに存在する(未定のメーカーもあるが)。またそれまでに今年10月30日には関西圏で初の本格的な市民マラソン「大阪マラソン」が開催される。おそらくこの大会が、2011-2012年シーズンのマラソンビジネスの前哨戦になるだろう。同大会でも東京マラソンと同様の「EXPO」の開催が計画されている。