ミズノ ベースボール
「ミズノ ブランド アンバサダーズ ミーティング」
40数名の契約選手が一堂に会する
update: 2014/12/09
市況は厳しいが、野球ファンなどニーズを喚起
ベースボール市場は全体的に厳しいと分析している。特に軟式と少年野球を中心にプレーヤー数が漸減傾向であること、競合他社の台頭も影響があると見ている。市場は供給過多でシェア維持が難しくなっているようだ。
厳しい中でも硬式関連は堅調だという。グラブを中心にバットも売れている。安定したプレーヤー数の裏打ちがあるとみられる。同社のベースボールビジネスは業績が乱高下しており、「通期の着地点が予測しにくい状況にある」(久保田憲史 ダイアモンドスポーツ事業部長)という。今上期は消費増税もあり、プレーヤー数の漸減と併せて、複合的な要素で市況予測が難しくなっているようだ。
新製品に対する評価は高い。今秋デビューした軟式用バット「ビヨンドマックスメガキング」は10月の発売後、またたくまに完売。12月にようやく追加投入できたと言い、ヒット品番になりつつある。「はっきりと特長の分かる製品は売れている」(久保田事業部長)ようだ。
目下、力を入れつつあるのが、観戦者を含む野球ファンへ向けた商品販売だ。今シーズンの日本プロ野球のプレーオフ「クライマックスシリーズ」において、同社がウエア契約を交わす球団が活躍したこともあり、レプリカユニフォームを中心に関連グッズが売れた。
また、新しい動きとしては、漫画が原作のテレビアニメ「ダイヤのA(エース)」のグッズが好調なこと。登場人物達が使用する野球用品が「ミズノ」ブランドで、劇中で着用されるトレーニングウエアのレプリカジャージーも売れているという。昨年12月の発売後、約1年間で2億円を売り上げた。野球をやらない女性層に売れているそうで、新しいファン層を開拓できたようだ。
リニューアルしたスパイクシューズも重点アイテム
今後は市場ニーズを様々な方法で喚起するとともに、「ビヨンドマックス」のような新製品の開発に力を入れる。前述の野球ファンの層にも引き続き、アプローチしていく。アイテムでは、キーになるのがスパイクシューズだ。全面リニューアルした主力商材の1つとして、新しいニーズを取り込んでいく原動力に据える。
小売店との取り組みも重要な施策の1つだ。「ミズノ」商品を中心に据えた売り場構成の提案や、外商(チーム受注)ビジネスの促進など、「できることをやりたい」(久保田事業部長)という。
主力品の80%を海外で生産する同社のベースボールビジネス。円安傾向による、原材料高の影響は少なくない。上代価格に転嫁しにくい状況下で、国内の自社工場を活用し、コストダウンの方策を検討している。