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東レ スポーツ機能素材 2015年秋冬シーズン展総括
採用進む素材に評価集まる
海外はアウトドアが好調

update: 2014/09/19

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新素材開発、既存のグレードアップが課題

綿ライクな風合いが特徴の 「フィールフィット®」

綿ライクな風合いが特徴の
「フィールフィット®」

今年4月から、スポーツ・衣料資材事業部長に就任した佐々木幸雄氏は今後の強化点について、「新しい素材の開発、既存素材のグレードアップ、縫製の一貫提案」の3つを挙げる。「KARUISHI®」は以前、「アールモール」と呼ばれていた素材だが、新しい名前でリニューアルを図った。8年ぶりに手掛ける分野だが、以前と比べて素材の機能がかなり高度化しているという。また、同社が強化ポイントの1つに掲げている「グリーンイノベーション事業の拡大」(=環境配慮型の素材開発)にも通じる自然保護・環境配慮の意識が強くなった面もあるようだ。アウトドア分野では、再生ポリエステルや、リサイクル・ダウンなどがその一例だろう。

国内市場では、ボリュームのトレーニングウエアにおいてジャージーやウインドブレーカーが苦戦している。しかし、「この辺りのアイテムこそ、ライフスタイルのど真ん中でもあるので、カジュアル要素を含んだスポーツウエアという切り口で、日常スポーツ向けの提案を強化していきたい」(佐々木部長)と語る。

スポーツ以外の分野で機能性を応用する一例が、15年春夏で重点展開するビジネスユースのニットシャツ。東レインターナショナルとの連携で、素材開発から縫製までの一貫体制で提案する計画だ。紳士服専門店などでの展開を予定している。そのほか、“日傘”に採用されている遮熱・遮光機能素材「サマーシールド」も出荷が増えている。レディス用で今期は14万5,000本(2013年度は9万5,000本)と大幅な増加。メンズ用も規模は小さいが、1万本(同5,000本)と倍増の計画だ。

また今期は、エンドユーザーへ向けたイベントへの協賛も実施している。東京ガールズコレクションに出演しているモデルをメンバーにした「TOKYO GIRLS RUN」である。機能素材を使ったランニングアパレルを発信する狙いがあるようだが、こうした取り組みは同社でも珍しいという。