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アシックス、カーボンフットプリント排出量を最少化したスニーカーを開発

update: 2022/09/16

カーボンフットプリントの排出量を最少化したスニーカー「GEL-LYTE Ⅲ CM1.95」

カーボンフットプリントの排出量を最少化したスニーカー「GEL-LYTE Ⅲ CM1.95」

アシックスがカーボンフットプリント(温室効果ガス)の排出量を最少化したスニーカー「GEL-LYTE Ⅲ CM1.95」(ゲルライトスリーシーエム1.95)を開発し、9月15日にその概要を公表した。来年2023年から発売する。カーボンフットプリントの排出量が、公表されているスニーカーの中では最少の1.95kg。同社が掲げる2050年までの長期の事業計画──「温室効果ガス排出量実質ゼロ」の実現を目的に企画された製品だ。

16の取り組みで削減を実現

同シューズの開発は、2010年に始まった米国・マサチューセッツ工科大学との共同研究に端を発する。「製品サイクルから排出される温室効果ガス排出量の測定、および温室効果ガス削減方法に関する分析と改善策」がテーマだった。

その研究結果を基に、製品ライフサイクルの主な4つの段階(材料調達と製造、輸送、使用、廃棄)で発生する温室効果ガスの排出量の削減策を特定。材料の調達や工程を改善し、品質を維持したままで削減することに成功した。

特に力を入れた点は、ミッドソールと中敷に使用する“カーボン・ネガティブ・フォーム”の開発。サトウキビ由来の原料と複数のバイオベースポリマーを配合し、排出量をマイナスに保ちつつ安定した品質のフォーム材を開発した。また、主要なアッパーと中敷に、環境負荷の低い「ソリューションダイ」で染色したリサイクルポリエステルを採用している。

そのほか、前述の4つの段階に関する16の取り組みを実施して、カーボンフットプリント排出量を1.95kgまで削減することを実現した。16の取り組みは素材や部品の選定、加工をはじめ、デザイン面や製造工程の見直しなど多岐にわたる。

発表会に臨んだ同社の廣田康人 代表取締役社長CEO兼COOは、「この新製品はスタート地点。今後、全ての製品においてこの技術を採用していくことがゴールになる」と説明した。具体的な販売価格は未定だが、「150ドル程度(約2万1,450円)の価格予定」(廣田社長)だ。足数など販売計画は非公開。