ゴールドウイン「ザ・ノース・フェイス」「ヘリーハンセン」2012年秋冬
アウトドア切り口に強化
update: 2012/02/23
アウトドア切り口に強化
ゴールドウインのアウトドアブランド「ザ・ノース・フェイス」(TNF)と「ヘリーハンセン」(HH)は12年秋冬シーズンから、新素材「cocona」(ココナ)を採用する。一部のゴルフウエアブランドなどで限定的に採用されていたが、複数のブランドで継続的に使用することは珍しい。「TNF」では「FLASHDRY」(フラッシュドライ)の名称で展開する。
「TNF」は引き続き堅調
アウトドア市場は以前、消費が安定しているとはいえ、11-12年秋冬は暖冬傾向でアウターが伸び悩むなど難しいシーズンだった。山ガールブームは収束したと見るが、マーケットが縮小しているわけではなさそうだ。「TNF」の11年秋冬は前年比10%増と好調を維持した。
新素材「cocona」はヤシの実の殻や火山性鉱石から作られた微多孔物質。ヤシ殻を活性炭素化した粒子や火山性鉱石の粒子を「coconaパウダー」として防水透湿素材の裏側にプリントすることにより、透湿量が向上する。また、「coconaファイバー」として繊維に練り込み、表面積を増やすことで透湿性や吸汗速乾性を高め、肌面をドライに保つ機能を持つことも可能だ。「TNF」で3種類(ソフトシェルジャケット、ソフトシェルベスト等に採用)、「HH」で2種類(エッジジャケット、アンダーウエア等に採用)の素材を採用する。なお、「cocona」採用品番は同社の製品開発コンセプト「GREEN IS GOOD」(グリーンイズグッド)の環境配慮型商品でもある。
また、3層の薄地で高い透湿性を持つ「ゴアテックス」の「アクティブシェル」を採用したアイテムを12年春夏シーズンから継続展開する。日本企画で採用するのは同社だけだという。水濡れに強く保温性に優れる「サーモボール」も引き続き使用する。ポリエステル糸をボール状にしたものの複合体で、人工ダウンとも言える。
主力のアウトドアアパレルでは、ハイエンドライン「サミットシリーズ」を強化。ストレッチ性を持たせた秋冬の雪山に使用できるパンツを企画した。
9-11月というシーズン前半の課題だったカットソーやミドルレイヤーのシェアを高めるため、素材とその厚みを変えたミッドレイヤー「バーサ」シリーズをリニューアルした。アウター向けの厚手アイテムから汎用性の高い薄手アイテムまで4タイプをラインナップした。
今春(12年春夏)からスタートするランニングカテゴリーの「パフォーマンス」では、冬場に適した軽量、高撥水のウインドブレーカーを企画。「アクティブシェル」採用ジャケットもある。また新素材の「FLASHDRY」を使用したジャケットも企画した。