香港スポーツショップ レポート
増収基調、懸念材料は地価・家賃の高騰
update: 2013/09/02
人口700万人を擁する国際都市、香港。昨今は中国本土からの観光客が増え、ラグジュアリーブランドを中心に小売市場が活況を呈している。古くは日本の百貨店が進出し(現在はそごうのみ)、最近ではラグジュアリーブランドを主体にした複合型の商業施設も開発されている。スポーツブランドもファッションブランドと同様にショップを展開しており、中国市場の重要な地域の1つであることが分かる。日本のスポーツブランドも何店かショップを構える香港。そのショップの近況をレポートする。
ファッションと並行してスポーツブランドも出店
昨年8月10日、香港島のコーズウェイベイそごうの近くに複合商業施設「Hysan PLACE」(ハイサン・プレイス、地下2階・地上15階)がオープンした。1-3階にはメゾネット構造の「アップルストア」が出店するほか、日本のレディスブランド「SHEL’TTER」(シェルター)や「snidel」(スナイデル)なども店舗を構えている。低層階の中央部分に吹き抜けを配した施設のデザイン完成度やそのファッション感度は、日本の商業施設に引けを取らない。また、「エーグル」「ビラボン」といったスポーツ関連のテナントも点在する。
老舗のコーズウェイベイそごう(地上17階、地下2階)にはスポーツフロアがある。そのレイアウトは日本の百貨店と似ており、スポーツ関連ショップはその4階フロアに集積している。スポーツウエアでは「ナイキ」「アディダス」「プーマ」の外資系3大ブランドをはじめ、「リーボック」「フィラ」「ザ・ノース・フェイス」などが店舗を構える。日本のスポーツブランドでは「ミズノ」「デサント」「マンシングウェア」「ルコックスポルティフ」が展開。スポーツ用品コーナーでは「ヨネックス」「ゴーセン」、ゴルフコーナーでは「パーリーゲイツ」「ホンマ」「ゼロフィット」などのブランドを揃えている。
香港島の北側に面する九龍半島の南西に位置する複合商業施設「Harbour City」(ハーバーシティ)は、香港最大のショッピングモールだ。5つの商業区画で構成されており、2000年代初頭に改装された大きく海に突き出た部分の「Ocean Terminal」(オーシャンターミナル)の2階フロアには、「sportX」という名称のスポーツ関連テナントが集まる一画がある。
「sportX」は、地元のスポーツショップ「GigaSports」を核テナントにして約20のスポーツ店舗が集積する。外資系では「アディダス」「ニューバランス」「パタゴニア」「ラフマ」「イーストパック」「キャロウェイゴルフアパレル」「アシュワース」「ティンバーランド」「リーボック」などが出店。日本のスポーツメーカーブランドでは「マンシングウェア」「ホグロフス」。同じフロアだが、「Gateway Arcade」(ゲートウェイアーケード)という区画違いの場所には、アシックスの「オニツカタイガー」が出店している。