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活況続くランニング市場
中級者が増加、リピーターが定着
トレイルランに注目集まる

update: 2013/01/15

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柴咲コウを起用したソフトなイメージのミズノ。 ソーシャルランナーがキーワード

柴咲コウを起用したソフトなイメージのミズノ。
ソーシャルランナーがキーワード

スポーツ市場の中で数少ない好調分野であるランニング。2012年シーズンもその勢いは持続したようだ。新しいランナーの参入が続いているほか、ランニングを継続して中級者の仲間入りを果たしたランナーも増えてきた。

昨今のランニング熱は、2007年に本格的な市民マラソンとしてスタートした「東京マラソン」が大きな原動力になったことは間違いない。既存のマラソン大会の活性化、また新規に大会が創設されるなど、様々な相乗効果があった。継続してランニングを楽しむ人が増え、そのランナーたちのレベルアップとともに中級ランナーが育ってきた。シューズの売れ筋は中級モデルが増え、エントリーモデル一辺倒だった状況から変化しつつある。

アシックス、ブリッジゾーンの商材を強化

シューズ、アパレルともに2ケタ増だったアシックス。 写真は「ゲル・カヤノ」

シューズ、アパレルともに2ケタ増だったアシックス。
写真は「ゲル・カヤノ」

国内外でランニングシューズに強みを持つアシックス。2012年シーズンはフットウエア(シューズ)、アパレルともに前年比2ケタ増だった。フットウエアでは、エントリー層向けの「2000」シリーズがけん引役になった。中級向けのモデルも動き始めた。「ゲルフェザー」などエントリー層と中級者をつなぐブリッジの商材も売れたという。

ランニングアパレルでは、レディスモデルの「AYAMi」(アヤミ)の反応が良い。2013年春夏モデルも百貨店など小売店から高い評価を受けた。デザイン面ではフットウエアが先導し、スタイリングに統一感を出している。「コーディネートで見せるファッション」を意識して、2012年ホリデー展のカタログから、フットウエアとアパレルを組み合わせたコーディネート提案を掲載し始めた。小売店への提案を通じ、店頭での着こなし発信を念頭に置いた措置である。

今後のランニング市場について、フルマラソンのブームは終わったと見ている。これからはエリアや大会、カテゴリーごとに市場が細分化され、定着していくと分析。ランナーの志向によってランニングのスタイルが細かく分かれてくると予想する。その1つの例が、フルマラソンに飽き足らないランナーなどが参入しているトレイルラン。今年春から、トレイルランも強化すべき分野の1つに掲げている。

ゴールドウイン「ザ・ノース・フェイス」の トレイルラン向けシューズ 「DOUBLE-TRACK GUIDE」

ゴールドウイン「ザ・ノース・フェイス」の
トレイルラン向けシューズ
「DOUBLE-TRACK GUIDE」

アウトドア由来のブランドでも、トレイルラン強化の動きが見られる。ゴールドウインの「ザ・ノース・フェイス」やデサントの「イノヴェイト」といったブランドだ。

 今後アシックスはランニング歴1−2年の初心者ランナーを対象に、フットウエアやアパレルを提案する。アパレルでは、ランニング専用を謳っている機能性タイツ「モーションコントロールタイツ」も強化アイテムだ。アクセサリーの売り上げも無視できない。周辺雑貨にも力を入れる。