ミズノ 山本睦朗 専務取締役
(国内営業全般、ライフスタイルスポーツ事業部、ライフスタイルチャネル営業本部、スポーツ施設サービス事業部、スポーツ施設サービス営業部、営業統括部)
「ウエルネス事業を本格的に拡大する基礎ができた」
update: 2015/05/07
ミズノの競技および健康関連カテゴリーを統括する山本睦朗 専務取締役。いわゆるウエルネス市場と呼ばれる非スポーツ分野の健康関連も管掌するが、競技に続く第2の柱としてスポーツ各社からも関心が集まっている。早くから同市場の開拓を進めてきたミズノでは、ウエルネス関連ビジネスの国内売上比率が約15%にまで高まってきた。純競技が65%、スポーツ施設・サービス事業が20%なのでまだ規模は小さいが、今後の伸び代は大きく新しい市場でもある。軌道に乗り始めたウエルネス事業の現状と今後を、山本睦朗 専務に聞いた。
社内にビジネスの方向性が浸透
同社がウエルネス事業に着手したのは約7年前のこと。競技シーンで培った技術やノウハウを活かし、非スポーツシーン=健康市場の開拓に乗り出した。2011年3月に「ウエルネス・アスレチック事業部」に再編したのち、13年には「ライフスタイルスポーツ事業部」へ改められた。時間をかけて、社内にウエルネス事業に対する認識やその方向性が浸透してきたという。
「当社は純競技を強みにする企業なので、(健康を切り口にした)ウエルネスビジネスに対する社内の認知や理解がなかなか進みませんでした。ようやく、ここ2-3年で現場の理解が進み、ビジネスも動き始めたと思います。やっていることは以前とあまり変わらないのですが、社内にウエルネスビジネスが浸透してきたのでしょう」
特に分野の純競技市場は踊り場を迎えていると分析する。今後も大幅な伸びはあまり期待できないと見ており、新しい柱になるビジネスを構築する必要があると認識している。
「当社に限らず競技の世界は苦しい状況にあると思います。問屋もナショナル・スポーツチェーン店も売り上げが伸び悩んでいるし、全ての要素が純競技にとって逆風だと感じています。幅広い分野で総合スポーツメーカーとして展開している当社は、技術の裾野が相対的に広いと考えています。そうした技術を新たに売れないだろうかと、活用できないかと考え始めました。スポーツをやらない人にも使ってもらえる製品です」