ゴールドウイン
大江伸治 社長補佐 取締役 副社長 執行役員
引き続き、発注流動コントロールを強化
update: 2014/06/23
ゴールドウインの新しい中期3カ年計画の1年目に当たる2014年3月期連結決算は、売上高548億円(4.5%増)、経常利益39億円(23.1%増)と増収増益を達成した。春夏・秋冬シーズンともに好調で、経常利益と純利益は過去最高額だった。財務面の改善も進み、当面の不安材料はほぼ払しょくされた状態だ。国内売り上げが主体の同社には、円安による輸入品のコストアップの影響もあるが、海外市場の本格開拓など攻めの体制が整ってきた。効率の良い収益を挙げるため、かねて製販バランスの重要性を説いてきた大江伸治副社長に、今後の取り組みを聞いた。
「商品企画スタッフにもコスト意識を」
スポーツ上場7社のうち、大幅な増収増益を達成しているアシックスやデサントは主に海外市場の貢献度が大きい。それに対してゴールドウインは国内が主体。持分法適用関連会社を通じた同市場での事業展開は別として、主戦場は国内市場である。中でも主力に育ったアウトドアスタイル事業がけん引役になっている。「ザ・ノース・フェイス」(TNF)ブランドを筆頭に、2013年度は売上高270億8,300万円(8.5%増)と好調な推移だった。消費増税の反動減が懸念された新年度の4月以降も勢いを失っていないという。
「117店舗に達した自主管理売り場も4月以降、順調に推移しています。今春オープンした『カンタベリー神戸店』も好調だし、『チャンピオン』の直営店も絶好調です。TNF然り、きちんと店作りができてブランド観を演出できている売り場では売り上げを伸ばしています」
「以前から、発注流動の徹底管理を掲げてきたが、今後もこの発注流動コントロールを強化します。店頭へ商品を投入した後、商材の店舗間移動など機動的な対応ができているブランドとそうでないブランドとがまだ混在しています。企画・生産面では、原価の抑制や商品量の抑制など課題があります。調達部門のみならず、商品企画に携わる人たちにもっとコスト意識を持つよう指導しています」