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株式会社ゴールドウイン 代表取締役社長 西田明男 氏
大事なことは「顧客に評価されること」

update: 2013/01/07

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新中計は国内が軸に

来期を初年度とする新中期計画は、「まずは国内の基盤をしっかりした上で、海外で展開するというのが長年の思い」(西田社長)と語る。当然、海外市場の開拓に力を入れるが、その基礎になるのは国内市場という考えだ。国内市場の伸び代はまだあると見ている。

「国内のアウトドアやウインターにおける当社ブランドのプレゼンス(存在感)はある程度、確保できていると思いますが、アスレに関しては他社に対し後塵を拝している。まだ伸び代はあると思います」

2012年4月、スイスに現地法人、ゴールドウインヨーロッパAGを設立した。欧州や米国のウインター市場へ拡販する拠点になる。

「しっかりと現地で対策を練っているところです。ちょうど13-14年の展示会が初仕事になります。来期のビジネスから結果が出てきます」

アジアでも今春から、『MXP』(消臭機能を持つアンダーウエア)の販売をスタートしたが、ボリュームになってくるにはまだ時間が掛かる。国内の売り上げが90%以上占める同社。本格的なグローバル化はこれからだ。

多ブランド展開のメリットは補完関係

「コア&モア」のコンセプトを軸にする (「ザ・ノース・フェイス堀江店」)

「コア&モア」のコンセプトを軸にする
(「ザ・ノース・フェイス堀江店」)

国内外において重要なウエートを占めてくるのが、ウインターやサイクリングウエア、モーターウエアなどで展開する社名ブランド「ゴールドウイン」。陸上などのアスレチック分野での展開は現在、休止中だ。しかし、アスレ分野は重要視している。

「春夏シーズンの『ゴールドウイン』ブランドをどうするか、これは課題だと思います。しかしそれをお客様(エンドユーザー)に認めてもらわなければ意味がない。マーケットが成熟している中での差別化は難しい。同じような商材で競合して特徴を出せないことが一番良くない。そこは慎重にやりたいと思います。現実的な方法は、既存のブランドを伸ばしていくことです」

「数年前、赤字で大変な時期に『アスレ関係のブランドは止めたらどうか』と盛んに言われたものです。しかし、マルチブランドの看板を掲げている限り、アスレはスポーツマーケットの中で不可欠だと思いました。仮にアウトドアブランドの『ザ・ノース・フェイス』だけ残したとき、そのブランドのイメージとかけ離れたテニスの用具やウエアをやるのか? ということです。それはできないし、ブランドコンセプトにもそぐわない」