外資系スポーツ上場企業3社+1、2022年12月期決算まとめ──各社が増収、プーマのみ増益を達成
update: 2023/03/24
主要な外資系スポーツ上場企業の2022年12月期決算が出揃った。各社共に増収を達成したが、世界的な原材料高のあおりを受け、減益に至った企業が多かった。プーマとトップゴルフキャロウェイブランズが増収増益を達成した。
アディダスは減益、プーマが好業績を挙げる
対象にした企業は、adidas Group(アディダス社)、PUMA(プーマ社)、TOPGOLF CALLAWAY BRANDS COORP.(トップゴルフキャロウェイブランズ社)の3社。決算期の変更(12月期から3月期に移行)で同時期に第3四半期が対象になるUnder Armour(アンダーアーマー社)も参考に加えた。
全社共に完全復調とは行かないが、コロナ禍の影響から脱し、業績が戻ってきている。しかし世界的な原材料の高騰や部材の不足が影響し、経費がかさんで減益となった企業が過半数を占めた。
adidas Groupの2022年12月期は、増収減益。売上総利益率(粗利率)の低下や中華圏の収益減の影響もあり減益に至った。連結売上収益は225億1,100万ユーロ(約3兆1,515億4,000万円、1ユーロ=140円で換算)、6.0%増。粗利率は47.3%(3.4ポイント減)と低下。販管費率が増えたこともあり、営業利益が6億6,900万ユーロ(約936億6,000万円、同)、66.3%減の減益となった。税引前利益は3億8,800万ユーロ(約543億2,000万円、同)、79.1%減と低下した。
PUMAの2022年12月期は、増収増益と好調な結果だった。連結売上収益は、84億6,500万ユーロ(約1兆1,851億円、1ユーロ=140円で換算)、24.4%増と2ケタ増。粗利率は46.1%(1.8ポイント減)と低下。原材料のコスト増や市場在庫の増加が影響したが、販管費率が低下したこともあり、営業利益(EBIT)は6億4,000万ユーロ(約896億円、同)、15.0%増の増益となった。税引前利益(EBT)は5億5,100万ユーロ(約771億4,000万円、同)、9.2%増となった。
TOPGOLF CALLAWAY BRANDS COORP.の2022年12月期は増収減益だが、営業段階では増益だった。前期に計上したトップゴルフ社への投資利益が無くなった影響があった。「キャロウェイゴルフ」のゴルフ用品の実績は、売上収益が14億600万米ドル(約1,841億8,600万円、同)、14.4%増と好調な推移だった。主力のゴルフクラブが10億9,700万米ドル(約1, 437億700万円、同)、10.3%増とけん引役になった。
Under Armour(アンダーアーマー社)の2023年3月期第3四半期(4-9月)は微増収、減益。主力の「Apparel」(アパレル)と「North America」(北米)が伸び悩んだ。連結売上収益は45億400万米ドル(約5,900億2,400万円、1米ドル=131円で換算)、1.8%増。粗利率が45.3%(5.1ポイント減)と大きく落ち込んだ。販管費率も低下したが、粗利率の下落幅を吸収しきれず、営業利益は2億4,800万米ドル(約324億8,800万円、同)、34.6%減と減益に至った。