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主要上場国内スポーツ企業5社、2021年3月期まとめ(上)
コロナ禍からの復調ぶりに格差

update: 2021/05/21

主要スポーツ上場企業5社、2021年3月期 財務数値一覧(表1)

主要スポーツ上場企業5社、2021年3月期
財務数値一覧(表1)

主要上場国内スポーツ企業5社の2021年3月期連結決算が出揃った。コロナ禍の影響からいかに早く抜け出すか、マイナス要因を低減するかが焦点となった2020年度(2021年3月期)。第1四半期を中心とした大きな落ち込みが期末まで尾を引いて、全社が減収減益だったが、その復調ぶりには格差が表われた。

手堅さを発揮したミズノ

対象にした企業は、美津濃(ミズノ)、デサント、ゴールドウイン、ヨネックス、ゼットの5社(順不同)。いずれも3月末に期末を迎えた企業で、2021年3月期決算だ。全社が減収減益傾向の結果となったが、下期(10-3月)を中心に業績が回復してきた企業も多かった。

ミズノは売上高1,697億円(11.4%減)、経常利益30億円(0.7%減)の減収・微減益だった。上期は営業損失9億円を計上するなど苦戦したが、下期に入り回復。ゴルフやベースボールなど屋外競技が健闘したこともあり、通期では営業利益を確保した。

また、マウスカバー(マスク)やワーキングビジネスも貢献した。売上総利益率(粗利率)が40.3%(0.4ポイント減)と微減したが、在庫管理が一定の成果を出した。小売店への自前の販路もあり、難しい市況下で持ち前の手堅さを発揮した形だ。

日本、韓国の落ち込みが大きかったデサント

デサントは売上高968億円(22.2%減)の減収、経常損失5億円を計上するに至った。営業段階でも18億円の損失だった。コロナ禍による前半の落ち込みを取り戻せなかった。中期計画でも謳っているように、日本、韓国、中国を収益の大きな柱に据えているが、日本(99億円減)と韓国(133億円減。為替の影響が16億円減)の落ち込みが特に大きかった。

第4四半期(1-3月)は各地域で回復基調だという。日本におけるゴルフウエアブランド、中国における「デサント」ブランドなどが健闘した。中でも、Anta社と合弁で中国内販を進める「デサント」ブランドは、現地売上高が223億円(58.2%増)と好調を持続している。(続く)