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上場スポーツ小売店4社、2020年春夏シーズン
店舗閉鎖の影響が色濃く反映

update: 2020/08/28

上場スポーツ系小売店4社、2020年春夏シーズン 財務数値一覧(表1)

上場スポーツ系小売店4社、2020年春夏シーズン
財務数値一覧(表1)

上場スポーツ系小売店4社の業績について、2020年春夏商戦を中心にまとめた。決算期は各社異なるが、本決算あるいは四半期決算が開示されたタイミングに合わせ、財務数値を比較している。春先に発生したコロナ禍の影響が大きく、店舗閉鎖による収益の減少が目立った。

アルペンが通期業績で健闘

対象とした起票はアルペン、ゼビオホールディングス(HD)、エービーシー・マート、ヒマラヤの4社(順不同)。アルペンは2020年6月期本決算、ゼビオHDは2021年3月期第1四半期、エービーシー・マートは2021年2月期第1四半期、ヒマラヤは2020年8月期第3四半期が対象だ。4社共に、春夏商戦の業績数値を含んでいる。

上場スポーツ系小売店4社、2020年春夏シーズン 部門別売上高(表2)

上場スポーツ系小売店4社、2020年春夏シーズン
部門別売上高(表2)

最も健闘したのはアルペンだ。値引き販売を抑制し、粗利確保と経費の抑制に注力。その結果、6月期本決算(2020年度)は1ケタの減収、増益となり、コロナ禍の影響を最小限に抑えることに成功した。競技系スポーツは苦戦したが、キャンプやアウトドア分野が 好調だった。通期では連結売上高2,300億3,000万円(5.5%増)、営業利益63億9,500万円(54.7%増)、経常利益75億円(30.6%増)の増収増益を計画している(表1を参照)。

ゼビオHDはコロナ禍の影響をまともに受けた。客数の減少が響き、売り上げが大きく落ち込んだ。7月度は既存店の累計で71.9%と20%近い落ち込みだった。各カテゴリーで売り上げが落ち込んだが、自粛明け後の「ゴルフ」は堅調な推移だ。通期見通しはコロナ禍の影響が予測できないため、開示していない。

エービーシー・マートは売り上げが41.6%減と大きく落ち込んだ。粗利も減少したが、営業利益13億3,500万円と何とか利益は確保した。主力の「スポーツ」カテゴリーが275億7,600万円(40.7%減)で、収益に大きく影響した(表2を参照)。通期見通しはコロナ禍の影響が予測できないため、開示していない。

ヒマラヤも他社同様、コロナ禍の影響で苦戦を強いられた。しかし、6月度の既存店売上が113.5%、7月度が100.6%と回復基調にある。通期の業績見通しを取り下げ、「未定」に改めた。