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adidas AG、2020年12月期 第1四半期
コロナ禍が影響し、大幅な減収減益に

update: 2020/05/18

アディダスの第1四半期は減収減益に (画像は決算資料から抜粋)

アディダスの第1四半期は減収減益に
(画像は決算資料から抜粋)

adidas AG(アディダスグループ)の2020年12月期第1四半期(1-3月)の連結決算は、コロナ禍が影響し、大幅な減収減益となった。特にアジア・太平洋地域と欧州の落ち込みが大きかった。

アジア・太平洋が大きく落ち込む

adidas、2020年12月期 第1四半期 財務数値一覧(表1)

adidas、2020年12月期
第1四半期 財務数値一覧(表1)

グループ全体の売上収益は、47億5,300万ユーロ(約5,608億5,400万円、1ユーロ=118円で換算)、19.2%減と2ケタの減収。コロナ禍の発生源であるChinaを含む「Asia-Pacific」(アジア・太平洋)地域が大きく落ち込んだ。売上高総利益率(粗利率)は49.3%(4.2ポイント減)と減少した。販管費率は48.5%(9.1ポイント増)。販管費の額そのものは前年同期と同じ規模だが、売上額が急減した影響で、相対的に売り上げに占める比率が高くなった。

営業利益は6,500万ユーロ(約76億7,000万円、同)、92.6%減と大きく落ち込んだ。税引前利益も2,700万ユーロ(約31億8,600万円、同)、96.8%減と大幅な落ち込み。四半期利益も3,100万ユーロ(約36億5,800万円、同)、95.1%減で減益に至った(表1を参照)。

adidas、2020年12月期 第1四半期 地域別・ブランド別売上高(表2)

adidas、2020年12月期
第1四半期 地域別・ブランド別売上高(表2)


地域別売上高では、「Europe」(欧州)地域が14億2,600万ユーロ(約)、8.0%減と苦戦した。「North America」(北米)は12億100万ユーロ(約1,417億1,800万円、同)、3.8%増と堅調な推移だった。「Asia-Pacific」(アジア・太平洋)地域が11億8,400万ユーロ(約1,397億1,200万円、同)、44.7%減と大幅な減収となった(表2を参照)。

第2四半期もダウントレンドが続くと予測している。リアル店舗は休業数過半数を超えているが、Eコマースは回復のスピードが速いようだ。強化ポイントの1つがECビジネスで、今期は40億ユーロ(約4,720億円、同)以上の売上高を目指している。なお、通期の連結業績見通しは、「Not quantifiable」(定量化できない)と分析している。