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主要各社の業績展望Vol.1 「美津濃」
売上規模は減るも、利益面で改善

update: 2020/01/13

美津濃、2018年度・2015年度 財務数値一覧(表1)

美津濃、2018年度・2015年度
財務数値一覧(表1)

スポーツ業界では、2020年が節目の年に当たる一面がある。東京オリンピックが開催されることもあるが、ナイキをはじめ、アシックスやゴールドウインなど、国内外のスポーツ企業が中期計画の最終年度に指定している現状もあるためだ。年の初めに当たり、主要各社の業績を展望してみる。第1回目は美津濃(ミズノ)を取り上げる。

通期は増収増益を目指す

参考にする資料は、2019年3月期(2018年度)および2016年3月期(2015年度)の実績。過去3年間でどれだけ、収益に変化があったかを比較する。別途、今期(2020年3月期=2019年度)の第2四半期業績も添付したので、参考にされたい。

ここ数年、北米のダウントレンドや、アジアでは中国ビジネスの立て直しに迫られた影響で、売上高が漸減傾向にあった。2016年3月期の連結売上高が1,960億円だったのに対し、3年後の2019年3月期には1,781億円まで減収している。しかし利益面では改善が進み、営業利益は15年度と18年度を比較すると29億円から76億円へ、経常利益は同27億円から77億円へ、当期純利益は同20億円から60億円へ、それぞれ増益を達成している(表1を参照)。

美津濃、2020年3月期 第2四半期 財務数値一覧(表2)

美津濃、2020年3月期 第2四半期
財務数値一覧(表2)

ミズノは他社に比べ、財務数値の大きな変動があまりない傾向がある。15年度から18年度への変遷を見ても、多少の増減はあるが安定した推移である。効率性指標では、商品回転率や交差比率、資本回転率は同水準。流動性指標でも、全般的に大きな変化はない。自己資本比率が52%から61%へ増加している。

今期の第2四半期決算は、減収したが増益の結果だった。18年度と同じトレンドであることが分かる。着実に利益体質が強化されている。D/Eレシオの数値も15年度の0.37倍から着実に改善が進み、0.18倍まで低下してきた。

通期(2020年3月期)の業績見通し(2019年11月8日発表の数値)は、連結売上高1,850億円(3.9%増)、営業利益85億円(11.5%増)、経常利益85億円(10.1%増)、当期純利益58億円(3.4%減)。増収増益を計画している。