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デサント、2019年3月期 連結決算
日本が健闘し微増収、経費増で減益に

update: 2019/05/14

デサント、2019年3月期 財務数値一覧(表1)

デサント、2019年3月期
財務数値一覧(表1)

デサントの2019年3月期連結決算は、日本ビジネス及び「デサント」ブランドが健闘したこともあり、微増収となった。直営やECの投資などにより経費が増加した影響で、減益となった。

「デサント」ブランドがけん引役に

連結売上高は1,424億4,300万円(0.9%増)と微増収。日本ビジネスが568億円(10.8億円増)と増収した。韓国ビジネスは722億円(2.9億円増)。香港・台湾を含む中国ビジネスは78億円(2.1億円減)だったが、ライセンス品が増えている現地売り上げは伸びている。

売上高総利益率(粗利率)は55.8%(0.3ポイント増)と微増した。直営店やECなどへの先行投資により経費が増加した。その経費増を、直営やEC、自主管理売り場の売上増でカバーしようとしたが、思いのほか売り上げが伸びなかった。その結果、営業利益は79億3,500万円(17.3%減)で減益となった。

デサント、2019年3月期 部門別・ブランド別売上高(表2)

デサント、2019年3月期
部門別・ブランド別売上高(表2)

部門別売上高では、「デサント」ブランドに下支えされた「アスレチックウェア関連」が899億7,400万円(0.9%増)と主力ビジネスになっている。ブランド別では、「デサント」が売上高632億円(7.0%増)と引き続き堅調な推移だった。「アンブロ」が、韓国市場のライフスタイル商材の好調が後押しして、72億円(7.0%増)と健闘した。2つ目の柱「ルコックスポルティフ」は382億円(2.0%減)と伸び悩んだ。国内は136億円(2.0%増)と堅調だったが、海外=アジア地域が246億円(8.0%減)と苦戦した。「マンシングウェア」は127億円(6.0%減)の減収。「アリーナ」は70億円(5.0%減)で減収となった(表2を参照)。

財務面は安定している。効率性指標は大きく変わらず、流動性指標にも大きな変動はない。手元流動性比率が2.4(0.2ポイント増)と改善している。高収益性に変化はない。

通期の業績は、連結売上高1,440億円(1.1%増)。営業利益80億円(0.8%増)、経常利益82億円(3.1%減)と手堅い見通しだ。売上額は過去最高を目指す計画。今期は筆頭株主、伊藤忠商事からの新しい経営陣に、収益拡大が託されることになる。