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上場スポーツ企業4社、2018年12月期まとめ(下)
各社共に、アジア地域が成長分野

update: 2019/03/26

上場スポーツ企業4社、2018年12月期 売上規模一覧(表1)

上場スポーツ企業4社、2018年12月期
売上規模一覧(表1)

上場スポーツ企業4社──アディダス、プーマ、アンダーアーマー、アシックスの2018年12月期連結決算まとめ。各社共に、アジア地域が成長分野になっている。欧州、米州その他地域では、各社で業績に差が表れた。売上規模では、ナイキの1位、アディダスの2位は変わっていない。3位グループでは、プーマが他社を引き離しつつある。

1位ナイキ、2位アディダス、3位プーマの様相に

表1でまとめたように、上場スポーツ企業上位の売上規模ランキングでは、1位ナイキ、2位アディダス、3位プーマの様相だ。ナイキ、アディダスの位置は変わらないが、3位グループでプーマが少し抜け出しつつある。アンダーアーマーは業容を拡大しているが、利益が伴っていない。アシックスは足踏み状態である(表1を参照)。

上場スポーツ企業4社、2018年12月期 部門別売上高一覧(表2)

上場スポーツ企業4社、2018年12月期
部門別売上高一覧(表2)

各社共に、アジア地域が成長分野になっている。アディダスでは、日本を含む「アジア・太平洋」地域が、11.5%増と2ケタの増収。「北米」の9.7%増を上回る伸び率だ。売上額も71億4,100万ユーロ(約8,926億2,500万円)と「欧州」を抜いて、一位になった。「北米」も好調な推移だった。「欧州」が0.8%減と伸び悩んだ(表2を参照)。

プーマは各地域で高い成長率を示した。特に「アジア・太平洋」地域は「Asia/Pacific」(アジア・太平洋)は12億3,500万ユーロ(約1,543億7,500万円)、24.2%増と2ケタの増収だった。欧州や米州も1ケタ後半の増収で、順調な推移だった。

アンダーアーマーも「アジア・太平洋」地域が5億5,800万米ドル(約608億2,200万円、同)、28.7%増と好調な推移だった。「欧州」も2ケタの増収だったが、損失計上だった。利益面では、他地域が苦戦したことで全社レベルでは損失計上に至った。利益を確保したのは、「アジア・太平洋」地域のみだった。

アシックスも、アジア地域が2ケタの増収と好調な推移だった。しかし、日本や欧米など主要地域に比べると売上規模がまだ小さい。日本はほぼ前年並み、米州が6.0%減と苦戦した。利益面では、アジア地域も他地域と遜色のない金額を確保している。参考資料として表2に載せたナイキの第2四半期でも、アジア関連地域のシェアが着実に拡大している(表2を参照)。(終り)