ゴルフウエアブランド、2019年春夏展まとめ(上)
機能性とデザインの両立が基本装備に
update: 2018/10/22
ゴルフウエアブランドの2019年春夏展示会の傾向をまとめた。今シーズンは天候不順や天災が続き、難しいシーズンだった。来シーズンへ向けて、各社はブランドのブラッシュアップに取り組んでいる。
新ブランド立ち上げの動きも
昨今のゴルフウエアブランドに共通した傾向の1つは、タウンでも着られるようなファッション性、デザイン性だ。基本はゴルフのプレーに適した機能性素材を使用し、パターンも動きやすさを重視したモデルが多い。ゴルフ場で着ることを大前提にしているが、視覚的にはタウンウエアと言っても遜色のないものである。
トレンド要素を採り入れたファッションウエアとしての体裁と、プレーのしやすさ着心地の良さといった機能性をどのように両立させるか──この点が商品企画において押さえるべき基準になった。
ブラックアンドホワイトスポーツウェアが手掛ける「ブラック&ホワイト」の19年春の代表的なコーディネートは、メンズがシルケット綿を使用したニットベスト。綿100%の鹿の子に幾何学模様のプリントを施した。レディスでは、花柄のストレッチスカートに無地のジャカードシャツ、ニットベストのコーディネート。いずれも上質な素材を使用している。夏は機能性素材も重視。メンズがシャンブレー調のヨット柄をプリントした吸汗速乾・UVカット機能を付加したポロシャツと、「クールマックス」のサッカーパンツ。レディスはジオメトリックなポロシャツに太めのストライププリントのクロップドパンツを合わせた。
グリップインターナショナルは主力の「ヒールクリーク」で19年春夏から、デザイン面においてナチュラルテイストに回帰する。数シーズン、ゴルフウエア市場はプリント柄やリゾートテイストが全盛だが、そうしたトレンドに対し一線を画する狙いがある。また同社は新たに、「HENRY Club」(ヘンリークラブ)ブランドをスタートする。軸足はゴルフウエア置くが、ヨガやウオーキングなど“ゴルフのプレー以外のシーン”での着用も想定している。
オッジ・インターナショナルの「カステルバジャックスポーツ」は引き続き、上質素材を使用したウエアを提案する。ディズニーと協業した企画も継続展開する。そのほか新ブランド「Orobianco SPORT」(オロビアンコ スポーツ)の展開を始める。主力商材であるバッグのイメージをアパレルに落とし込んだ。デザインと機能性を兼ね備えた“イタリアンファッション”が基本コンセプトである。(続)