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デサント 常務取締役 セールス管掌
三井久 氏

店頭オペレーションの効率化を進める

update: 2013/08/19

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在り方変わる百貨店スポーツ

前期で休止した『クレージュスポーツフューチャー』(以下、クレージュ)と『スポーツスタディオウィッテム』(以下、ウィッテム)は主に百貨店のスポーツ売り場で展開していた。自主ブランドで構成するセレクトショップ「スタディオ D」でも主要なブランドの一角を占めていた。今春からは「デサント」などが2ブランドの抜けた穴をカバーしている。

「『スタディオ D』は現在約10店。今春の立ち上がりは結構、苦労しました。『クレージュ』と『ウィッテム』などと同じものをやっていては意味がないし、対象にする客層も変えていこうとしているため、最初はお客さんが減ると見込んでいた。大分、店頭の販売員の啓蒙も進んでいるし、現場からは客層も変わってきたと聞くので手応えを感じるようになりました。『クレージュ』や『ウィッテム』は50−70代女性が圧倒的に多かったが、今後は30−40代を中心に取り込んでいこうと、百貨店にも理解してもらっています。色々とトライしているが、各百貨店の客層に合わないブランドも出てくると思う。東京オフィスで展開している店舗は徐々にうまく行き始めているブランドもあります」

「『アリーナ』は2014年春夏シーズンで商品がかなり変わっている。浅田真央とのコラボライン『マオマオ』も百貨店売り場に入って行けると思います。百貨店のスポーツ売り場がどうなっていくのか。売り場を維持していこうとするにはどうすればいいかと考えると、『スタディオ D』の形になる。まだまだ試行錯誤で運営している状況です」

「デサント」の旗艦店は「コト」と「モノ」の提案

今年10月上旬をめどに、東京・原宿へ「デサント」ブランドの直営旗艦店を開設する。物販に限定せず、イベントなど「コト」の発信にも比重を置くという。

「10月上旬にオープン予定の東京・原宿の直営店は、リテール統括部とデサントブランド統括部が話し合って、準備を進めています。日本で販売している商品だけではなく、世界で展開している商品も集めて『デサント』ブランドの価値を上げるのが目的です。モノ売りとコト売りの両方を考えています。コト売りはイベントなど情報発信の拠点としても考えています。日本国内だけではなく、アジアの人たちにも見て欲しい、そういう旗艦店にしたいと思います」

「『デサント』ブランドの旗艦店の出店をきっかけに、『デサント』を販売する既存の直営店を増やしたい。また、ショップインショップで増やしていこうと考えています。ショッピングセンターはチャンスがあれば出店したい。『デサント』や『マーモット』などを出していきたい。『ルコックスポルティフ』はもう一度やり直そうとしている。原宿の店舗でサイクリングを前面に出して、試しているところです」

略歴
三井久(みつい・ひさし)氏 1954年生まれ。77年デサント入社。99年カジュアルスポーツ営業本部チェルッティ・ウィッテム営業部長。02年第3事業部ウィメンズスポーツ営業部長。06年執行役員第1事業部ルコックスポルティフ営業部長。08年取締役第1部門第2事業部長兼ルコックマーケティング部長。10年取締役セールス部門長。11年6月、取締役セールス部門長兼東京オフィス長。13年6月から現職。