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外資系スポーツ上場企業3社+1、2023年12月期決算まとめ──各社で減益、難しいかじ取りを迫られる

update: 2024/03/29

外資系スポーツ上場企業3社+1、 2023年12月期決算まとめ(表1)

外資系スポーツ上場企業3社+1、
2023年12月期決算まとめ(表1)

主要な外資系スポーツ上場企業の2023年12月期決算をまとめた。増収を達成した企業もあったが、各社共に減益に至った。世界的な原材料高や消費が低迷する地域の影響もあった。プーマとトップゴルフキャロウェイブランズが増収し、アディダスが減収に至った。

原材料高や消費が低迷する地域の影響も

対象にした企業は、adidas Group(アディダス社)、PUMA(プーマ社)、TOPGOLF CALLAWAY BRANDS COORP.(トップゴルフキャロウェイブランズ社)の3社。決算期の変更(12月期から3月期に移行)で同時期に第3四半期が対象になるUnder Armour(アンダーアーマー社)も参考に加えた。

コロナ禍の影響から脱し、業績が戻ったものの、原材料高や消費が低迷する地域の影響で結果には格差が表われた。在庫が過剰気味とも言われるスポーツ市場だが、調整局面に入っている要素もあるようだ。

外資系スポーツ上場企業3社+1、 2023年12月期決算まとめ セグメント別売上高(表2)

外資系スポーツ上場企業3社+1、
2023年12月期決算まとめ セグメント別売上高(表2)

adidas Groupの2023年12月期は、連結売上収益が214億2,700万ユーロ(約3兆3,211億8,500万円、1ユーロ=155円で換算)、4.8%減の減収。売上総利益率(粗利率)は47.5%(0.2ポイント増)と微増したが販管費率が増えたこともあり、営業利益は2億6,800万ユーロ(約415億4,000万円、同)、59.9%減の大幅な減益に至った。税引前利益も6,500万ユーロ(約100億7,500万円、同)、83.1%減。当期純損益は所得税の支払いが影響し、7,500万ユーロ(約116億2,500万円、同)の当期純損失を計上するに至った。地域別では、主力の「EMEA」(欧州・中東・アフリカ)が82億3,500万ユーロ(約1兆2,764億2,500万円、同)、3.7%減の減収。「North America」(北米)も52億1,900万ユーロ(約8,089億4,500万円、同)、18.5%減と落ち込んだ。

PUMAの2023年12月期は、連結売上収益が86億100万ユーロ(約1兆3,331億5,500万円、同)、1.6%増。粗利率は46.3%(0.2ポイント増)と微増した。為替の影響で売り上げを押し下げたこともあり、営業利益(EBIT=利払前税引前利益)は6億2,100万ユーロ(約962億5,500万円、同)、3.0%減の減益となった。税引前利益(EBT)も4億7,800万ユーロ(約740億9,000万円、同)、13.2%減。当期純利益も3億400万ユーロ(約471億2,000万円、同)、13.9%減で2ケタの減益となった

TOPGOLF CALLAWAY BRANDS COORP.の2023年12月期は、連結売上収益が42億8,400万米ドル(約5,997億6,000万円、1米ドル=140円で換算)、7.2%増の増収。粗利率は61.4%(1.8ポイント増)と増加。販管費率が増加した影響で、営業利益は2億3,700万米ドル(約335億3,600万円、同)、7.4%減の減益。税引前利益は、3,400万米ドル(約47億6,000万円、同)、75.9%減の減益、当期純利益も9,500万米ドル(約133億円、同)、39.5%減となった。

キャロウェイゴルフのゴルフ用品の実績は、売上収益が13億8,700万米ドル(約1,941億8,000万円、同)、1.4%減とやや低調だった。主力のゴルフクラブが10億7,300万米ドル(約1,502億2,000万円、同)、2.2%減と低調だった。

Under Armour(アンダーアーマー社)の2024年3月期第3四半期(4-9月)は、連結売上収益が43億6,900万米ドル(約6,116億6,000万円、同)、3.0%減の減収。粗利率は46.5%(1.2ポイント増)と改善。販管費率が増えた影響もあり、営業利益は2億3,600万米ドル(約330億4,000万円、同)、4.8%減の減益に至った。税引前利益は2億7,000万米ドル(約378億円、同)、2.3%増と微増益。利息の負担が軽減したこともあり、1ケタ台前半の増益に至った。四半期利益は2億3,200万米ドル(約324億8,000万円、同)、7.4%増だった。