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外資系上場スポーツ企業3社、2022年12月期 第1四半期まとめ
増収基調も利益面で格差

update: 2022/05/30

外資系上場スポーツ企業3社、2022年12月期 第1四半期まとめ(表1)

外資系上場スポーツ企業3社、2022年12月期
第1四半期まとめ(表1)

外資系上場スポーツ企業3社の2022年12月期第1四半期(1-3月)の決算業績をまとめた。増収基調も利益面で格差が表われた。Under Armour(アンダーアーマー社)は決算移行期に該当し、2022年度の通期業績。3カ月間(1-3月)の変則決算である。

各社共にアジア地域で伸び悩む

対象にしたのは、adidas AG(アディダス社)、PUMA(プーマ社)、Under Armourの3社。2022年1-3月の3カ月間の業績をまとめた。別表に3社の決算数値をまとめているので参考にされたい(表1を参照)。

外資系上場スポーツ企業3社、2022年12月期 第1四半期 セグメント別売上高(表2)

外資系上場スポーツ企業3社、2022年12月期
第1四半期 セグメント別売上高(表2)

アディダス社の連結売上収益は、53億200万ユーロ(約7,104億6,800万円、1ユーロ=134円で換算)、0.6%増。売上総利益率(粗利率)は49.9%(1.9ポイント減)と低下した。販管費率が増加したこともあり、営業利益が4億3,700万ユーロ(約585億5,800万円、同)、38.0%減の減益となった。地域別では、主力の「EMEA」(欧州・中東・アフリカ)が19億3,500万ユーロ(約2,592億9,000万円、同)、9.3%増、「North America」(北米)が14億200万ユーロ(約1,878億6,800万円、同)、21.2%増と好調だった。「Greater China」が10億400万ユーロ(約1,345億3,600万円、同)、28.4%減と苦戦。日本を含む「Asia-Pacific」(アジア・太平洋)地域も5億600万ユーロ(約678億400万円、同)、16.0%減と伸び悩んだ。

プーマ社の連結の売上収益は、19億1,200万ユーロ(約2,562億800万円、1ユーロ=134円で換算)、23.5%増と2ケタの増収。営業利益(EBIT)は1億9,600万ユーロ(約262億6,400万円、同)、27.0%増と増益、税引前利益(EBT)も1億8,300万ユーロ(約245億2,200万円、同)、18.3%増で増益となった。「Americas」(米州)が8億1,500万ユーロ(約1,092億1,000万円、同)、52.8%増と大きく回復。「EMEA」(欧州・中東・アフリカ)7億800万ユーロ(約948億7,200万円、同)、23.8%増と好調に推移した。アジア地域が2ケタ減と苦戦した。

アンダーアーマー社の連結売上収益は13億ドル(約1,573億円、1米ドル=121円で換算)、3.4%増と増収を達成した。売上総利益率(粗利率)は運賃の高騰などが影響し、46.5%(3.5ポイント減)と低下。「Restructuring and impairment charges」(事業の再構築および減損費用)の計上も響いて、営業損失4,500万米ドル(約54億4,500万円、同)を計上した。主力の「North America」(北米)が8億4,100万米ドル(約1,017億6,100万円、同)、4.4%増。「EMEA」(欧州・中東・アフリカ)が2億2,800万米ドル(約275億8,800万円、同)、17.6%増と健闘した。日本を含む「Asia-Pacific」(アジア・太平洋)は苦戦した。