旭化成せんい 2015年春夏シーズン
新素材提案で、吸汗速乾を向上
update: 2013/12/12
旭化成せんいは2015年春夏シーズンの機能素材で、耐久度を向上させた吸汗速乾素材「シュアドライ インフィニティー」を新たに提案した。従来は吸水剤を使用するため、洗濯で徐々にその機能性が落ちていったが、糸そのものに吸水機能を持たせた。 速乾機能も持続する。また、キュプラ素材「ベンベルグ」を採用し清涼機能を強化した「モイステックス クールクール」も新たに開発、提案した。
「シュアドライ」シリーズが拡大
春夏シーズンのスポーツシーンでは、衣服内のクーリング(冷却)機能は標準装備になっている。素材メーカー各社はその独自性をいかに発揮するか、毎シーズン知恵を絞っている。
旭化成せんいの「シュアドライ インフィニティー」は吸水機能を糸自体に求めた。従来は長続きしなかった吸水機能を持たせる素材を開発した。表面の生地だけが吸水する特殊な加工を施した。吸水剤を使わないため、生地本来の風合いがあり、用途も広がる。
13年春夏では再生セルロース繊維キュプラ「ベンベルグ」と吸汗速乾のポリエステル素材を併せた3層構造の「シュアドライマックスベータ」を展開した。従来品で、脱水後15分程度で着用が可能になる速乾機能を持った「シュアドライエス」と共に、「シュアドライ」シリーズが3つに拡大した。
「モイステックス クールクール」は「モイステックス クール」の進化版だ。接触冷感機能を持ち、持続的に清涼感を得ることができる。強化素材の1つ、「ベンベルグ」と掛け合わせた生地で、吸水速乾による気化熱作用、「ベンベルグ」の吸放湿性を生かし、衣服内がより蒸れにくく、不快感が軽減された。「体感温度で2℃以上低い清涼感」(八神正典・ロイカ営業部スポーツ衣料営業部長)を得られるという。採用シーンはゴルフウエアやクールビズなどで、ニットがメーン素材になるという。
12年秋冬からスタートした「エラクションプロ」も継続展開する。身体の動きを妨げにくいニット素材で、機能アンダーウエアやフィットネス水着に採用されている。
ナイロン織物の「プロテクト」は主にアウトドアのアウターに使用されている。透湿・耐水機能を持つストレッチ性を持った織物「ストローム」がリニューアルした。軽量織物生地「インパクト」では、7デニールの糸を使ったダルな色調の「FT」や、洗濯100回でも一定の撥水性を保つ「WR」も引き続き展開する。