帝人フロンティア、2021年秋冬シーズンの新素材
保温生地「Thermo Fly™」を提案
update: 2020/08/11
帝人フロンティアが2021年秋冬シーズン向けの新素材「Thermo Fly™」(サーモフライ)を開発した。10月30日までバーチャルで開催しているスポーツ展( http://www.apparel-mag.com/sbm/article/exhibition/1938 )で提案している。保温性・汗処理性・環境対応が主な特長だ。
ポスト“フリース”を意識
新素材「Thermo Fly™」の開発の背景は、アウトドア分野において多様化してきたライフスタイル(汎用性)ニーズに対応するためだった。新しい着こなしに対応できる、起毛した生地で、インナーとミドラーを兼ねるウエアへの採用を意識した。
保温性・汗処理性・環境対応という異なる機能性を併せ持つ生地にするため、「オクタ®」を採用した。外側に8本のフィンを有する異形断面の中空糸で、軽量・嵩高・吸水拡散性に富むポリエステル繊維。同素材には外側のフィンにより、仮撚りなしでコイル状の捲縮がかかる。外側にスパン調のリサイクルポリエステル複合糸を使用した綿ライクな表情の素材「ASTY®」などを使い、中間層に「オクタ®」を配したダブルラッセル生地を製作。「オクタ®」の中間層を裁断し、ラッセル半裁生地にしたのが「Thermo Fly™」だ。
肌面に半裁の「オクタ®」を配置し、保温性・汗処理性を持った生地にした。起毛していない「オクタ®」により、ピリングが発生しにくく、マイクロプラスチックの発生量も少なくなる。スポーツメーカーが要求する標準的な保温性を有し、フリースに近い目付の生地までをカバーするイメージの素材だ。既存のフリース市場をターゲットの1つに考えている。