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サッカービジネス 国内メーカーの動向を見る(上)
過剰供給の中、各社は独自色を模索

update: 2015/09/09

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ミズノ、「イグニタス」がけん引役に

アシックスの今秋の強化モデル「MENACE」

アシックスの今秋の強化モデル「MENACE」

日本代表チームに選ばれている本田圭佑選手や岡崎慎司選手とシューズ契約を結ぶミズノ。2014年度のビジネスはワールドカップの追い風を受けて、108%(金額ベース)と堅調な推移だった(数量ベースでは102%)。本田選手が使用する「イグニタス」モデルが貢献した。

同社は長年、顧客の支持を集めてきたハイエンドモデルの「モレリア」を擁するが、昨今のプレーヤーのニーズ変化を鑑み、新ラインも立ち上げている。昨シーズンにデビューした「バサラ」と「モナルシーダ」だ。既存ラインの「スーパーソニック」に替わる商品群に位置付ける。

ウエア関連はチームユースがメーンだ。シューズとの相乗効果も見られるという。カタログ品が多いというが、“バイ オーダー”も扱っている。デザインの自由度が高い昇華プリントものも増えている。

アシックス、リニューアルした「DS LIGHT」が売れ筋に

通期(2015年12月期)で連結売上高が4,000億円を突破する見通しのアシックスは、前述の海外規模でのサッカーに対する投資には距離を置いている観がある。他方では、存在感を誇示できるラグビー競技への展開に力を入れている(後述)。一方で、日本市場の開拓では体制を整え、商品をリニューアルして再強化を進めている。

主力のスパイクシューズは「DS LIGHT」(ディーエス・ライト)だ。15年秋冬シーズンでは、スピード重視の「MENACE」(メナス)の新モデルが強化アイテムの1つである。

新しい市場として注目しているのが、ラグビー。後衛に当たる“バックス”の選手とサッカー選手との間で、クロスオーバーすることがかなりあるそうだ。同じ芝の競技場で、動きが似通っているということらしい。強豪チームの1つ、豪州の代表チーム「ワラビーズ」をサポートするなど、グローバルでラグビー強化を進める同社には効率の良い展開だ。(続く)