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『企業レポート』
「好日山荘なんば店」「グラビティリサーチNAMBA」
街中にクライミングスペースが登場

update: 2011/06/06

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若い世代、女性客が増える

「ザ・ノース・フェイス」

「ザ・ノース・フェイス」

「ザ・ノース・フェイス」

オープン後は、梅田店の顧客に案内状を送ったこともあり、順調に集客できている。入店客数は神戸本店の倍。当初の心配をよそに、まずまずのスタートを切った。4月は対予算比で10%増。5月も好調に推移した。来店客の内訳は大体3分の2が顧客、残りが新規客だ。グラビティリサーチは半数以上が初めての人。しかしこれはいい傾向で、一度来店すれば二度目以降のハードルが下がり、リピーターに育つ可能性がある。しかもグラビティリサーチには若い人が多く、子供連れも少なくない。30代の母親とおぼしき女性客も多いという。

4階に設けてある小学低学年向けのクライミングスペースがプラスに働いている。グラビティリサーチの会員になれるのは小学4年生以上。小学3年生以下は4階の子供向けのクライミングスペースを利用してもらう。結果、低学年の子供を持つ親子の来店が促進されたようだ。顧客と新規客と、現在のところはまずまずの集客状況と言えよう。

ピーク時に150人収容可能のクライミング壁

「グラビティリサーチ」は3-4階フロアに隣接する形で設けられている。3-4階の2フロア分の高さの吹き抜け空間が横付けされている構造だ。クライミングスペースは横長の形状で、中央に同形の横長の壁が設置されている。その壁伝いに360度どこからでも登ることができる。クライミングスペースの外側の壁も登攀が可能だ。

4階フロアからは窓越しにクライミング壁を登るクライマーの様子を眺めることができる。横幅も高さも神戸本店より規模が大きい。小学4年生以上はこのスペースを利用できる。親子で利用するというケースもあるようだ。その光景を4階から母親が見守る――といった利用手段が想定される。

グラビティリサーチの収容能力は高い。神戸本店は収容人数が60人だが、なんば店では70人でも余裕がある。100人でようやく混んできた感じになるという。1日最大で300人の収容能力。ピーク時は一時に150人が利用できる。

グラビティリサーチの会員数は約1700人。神戸本店の時の倍のスピードで増えている。客層は20-30代が中心。10代も多い。

顧客は価格訴求型ではない

3階ショップ入口には、登攀面の設計図をデザインした壁面を設置

3階ショップ入口には、登攀面の設計図をデザインした壁面を設置

3階ショップ入口には、登攀面の設計図をデザインした壁面を設置

大阪・ミナミにある店舗のため、顧客層は比較的、上代価格に敏感と思いきや、「人情味あふれるお客さんが多い」。むしろ、神戸本店の方が価格にシビアな顧客が多いという。意外な感じもする。

既存の梅田店とは共生関係にある。品揃えは基本的に同じだが、一部異なる商材も置く。双方の店舗を補い合う位置付けだと考えている。なんばは大阪市内の空白地帯だった。その意味では、大阪という商圏をより深く開拓できる体制が整った。現に梅田店となんば店の回遊も見られるようになり、狙い通りの顧客の動きが見られ始めた。

売り場にはブランドのコーナー展開も

3階「好日山荘」の中央はアイテム別の品揃え型売り場で、既存店と似通ったレイアウト。壁際には、「パタゴニア」「バーグハウス」「ザ・ノース・フェイス」といったアウトドアブランドのコーナー売り場が設けられている。

単品で見せる部分と、ブランドのコーディネートを見せる部分とで構成されている売り場だ。