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デサントが中期経営計画を発表
売上高1,200億円、営業利益80億円を目指す

update: 2013/05/27

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重点戦略は5つ

新中計では5つのグローバル化に加え、5つの「重点戦略」も掲げている。1つ目は「多ブランド展開を生かし、各種目で最適なブランドを展開すること」。強化ブランドの「デサント」はアスレチック競技を中心にスキー、バイク、マルチトレーニングなどと幅広い展開だが、「アンブロ」はサッカー、「アリーナ」は水泳と得意分野にする種目がある。主力ブランドは「デサント」をはじめ、アスレとゴルフの「ルコックスポルティフ」、ゴルフの「マンシングウェア」、「アリーナ」「アンブロ」の5ブランド。今春からスタートした「スキンズ」や「イノヴェイト×デサント」も強化ブランドの1つだ。

「デサント」ブランドでは新たにトレイルラン、トライアスロン、サイクリングといった“アクティブアウトドア”を次のグローバルカテゴリーに位置付ける。アジアや欧州で「通年型」のブランドに育て、収益の拡大と安定を図る。現在15年春夏をめどに、各地域において展開する新しい領域を検討中で、グローバルで展開分野を拡大する。また今年9月には東京・原宿に100坪規模の「デサント」の旗艦店舗を開設する計画だ。

2つ目の重点戦略はアジア地域の強化・拡大。引き続き好調な韓国市場、中国市場を中心に、香港・東南アジア、台湾でも拡販を進める。韓国では好調な「デサント」で新しい分野へ参入を予定しているほか、新規ブランドの導入も視野に入れている。中国では「ルコック」の売上拡大、「アリーナ」「マンシングウェア」の販売体制の再構築に力を入れる。香港・東南アジアは香港・シンガポールを拠点に、「ルコック」「デサント」を中心にしてリテール型ビジネスを拡大する。台湾はパートナー企業との連携を強化して売上拡大を図る。欧米では通年型ビジネスへ転換を進める。南米では12年秋冬から代理店を通して、「デサント」ブランドのスキーウエアなどの販売を始めた。

国内では、在庫の適正化が重要課題。製造と販売のバランスがとれるよう生産の精度アップをさらに追求する。販路面では、自主管理売り場を拡大し、収益性とキャッシュフローの改善を図る。

3つ目は強みのスポーツアパレルのさらなる強化。国内の自社工場を「製造競争力のある生産開発の拠点」に位置付ける。また、大阪オフィスにある商品試験施設「R&Dラボラトリー」も積極活用する。

4つ目はリテール型オペレーションの強化。採算の取れる店舗運営ノウハウを構築し、それをグループ内で共有する。2013年3月期末で900店だった展開店舗数を中計最終年度には1500店まで拡大する計画だ。また、このリテール型ノウハウを、ホールセール(卸)型事業にも活用し、店頭活性化につなげる。

5つ目は事業領域の拡大。健康関連事業で得た成果を商品企画に生かすことも考えている。新規ブランドの導入によるアジアビジネスの拡大、M&Aや業務提携などにも積極的に取り組むという。