主要合繊メーカーのスポーツ素材戦略（上）
基本の機能を改良・底上げ
住み分け・分かりやすい打ち出しに腐心
update: 2013/05/07
ユニチカトレーディング。
気化熱、遮熱機能に着目する
東洋紡スペシャルティズトレーディング（東洋紡STC）は13年春夏シーズンで、衣服内の空気を動かしてクーリング効果を得る「ソニックエアー」を展開する。また、同素材に紫外線（UV）を遮断する効果を持たせたニット素材の「ソニックエアー UV」も提案した。春夏シーズンにおけるクーリングは必須の機能性になっている昨今、衣服内環境の“快適性”に着目した企画だ。
旭化成せんいは、13年春夏の強化素材に、12年秋冬から展開する「エラクションプロ」を据える。身体によく密着するニット素材で、ストレッチ性が高く、動きを妨げにくい。身体の動きに合わせ適度に伸縮するため、運動時のストレスが少ない。機能アンダーやフィットネス水着などに採用されている。 コンプレッション（着圧）系アンダーやウエアが市民権を得るまでに拡大した。「エラクションプロ」が活躍できるシーンが増えている。
東レは13年春夏において、アウトドアでは「プライマリスト」を提案。同社グループの東レ・オペロンテックスのポリウレタン伸縮素材「ライクラ」と組み合わせた2WAYストレッチが特徴だ。織物素材の「ドットエア」も先シーズンに引き続き提案する。生地にドット（水玉）の穴が開いているクーリング素材だ。「フィールフィット」は吸水速乾・軽量の素材で、肌触りの良さが特長だ。
遮熱効果の切り口も
ユニチカトレーディングは、春夏シーズン向けで、太陽光を遮断、放熱する機能に着目した。気化熱でクーリング機能を発揮する「打ち水 ドライ」が定着してきたほか、13年春夏からは新たに「こかげ マックス」をスタートした。「こかげ マックス」は遮熱機能を持つ素材で、ゴルフウエアなどに採用されている。
三菱レイヨン・テキスタイルも、春夏向けの素材で遮熱機能を持つ「ソルシールド」を主軸の1つにする。ポロシャツのシャツ地や帽子に使用されるケースが多かったが、コンプレッション関連での採用も増えている。→ 主要合繊メーカーのスポーツ素材戦略（下）5月9日続く
