TOP > 企業レポート > 東レ 機能素材ビジネス 業容の規模拡大...

東レ 機能素材ビジネス
業容の規模拡大、商品の高度化が重要課題

update: 2016/10/04

< 前のページへ1ページ2ページ

「プライムフレックス」が高評価集める

2017年春夏から市場展開するストレッチ素材の 「プライムフレックス」

2017年春夏から市場展開するストレッチ素材の
「プライムフレックス」

2つ目の強化ポイントは、“商品の高度化”だ。「日本で作って、高機能性をさらに追求する」(浅田事業部長)。基本は全方位型で開発を進めているが、顧客の要望によりカスタマイズすることも多い。特にスポーツ分野では、スポーツメーカーが他社との差別化を目的に独自素材を求める例が少なくない。「メーカーとのエクスクルーシブな素材開発の例もある。顧客のニーズにより、開発のプロセスは変わってくる」(浅田事業部長)。

業容の規模拡大、および商品の高度化──この2つを意識したのが、2017年春夏シーズンから展開し始めた「プライムフレックス」シリーズだろう。ニット、布帛を問わず、バイメタル(2層構造)の糸を使ったストレッチ素材の総称ブランドとして新たにスタートしている。同社のストレッチ素材を集約して分かりやすくする狙いもあった。全方位で、ビジネススラックスからアクティブウエアまで幅広い用途を想定している。スポーツ分野では、トレイルランニング、アスレチック(競技分野)、スキー、ニットなど採用分野は多岐にわたっているほか、昨今ブームが再来しているヨガ系ウエアにも採用事例が増えているようだ。

最近は、シーズンやスポーツ・カジュアルといった分野を問わず、「軽くて伸びるという素材が重要なニーズになっている」(浅田事業部長)。「そこに“プラスアルファ”の機能性を付加することが重要。発想力と具現化が必要だ」(同)。スポーツとカジュアルの垣根が低くなってきている昨今。機能性素材の開発・提案もますます多様化しそうである。